[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次] "! ■■■ 2018年5月15日 ■■■ 赤黒蜘蛛⬮ 赤と黒 地位獲得に 汲々と 赤黒蜘蛛は豪州棲なので、希少種かと思いきや、種の分化も果たしており注意して探せばみつかるらしい。NZやパプアニューギニアにもそれぞれ1種発見されているほどだ。 随分と派手な色だが、一種の蟻ん子擬態なのだろうか。 それだけなら、ふ〜ん、で終わるのだが、分岐図では奇妙な位置に置かれているので大いに気になる。その理由は、おそらく篩板があるからだろう。 日本の蜘蛛の本にたいていはなんらかの形で記載されているのが、篩板の有無による分類である。この他の二択として、3爪か2爪か、性器単純な単性域か性器複雑な完性域である。 この辺りのわかりやすい解説が見つからないので、素人からすれば、「単性域→完性域」への分岐はソリャありえそうと納得がいくが、残りは正直なところよくわからない。 そう思うのは、「有眼→無眼」のようにどんな種でもあって当たり前と考えるからで、無眼類としてくくる必要はないと考えるから。つまり、「3爪→2爪」とは、餌捕獲を網に頼らず、徘徊して襲うようになれば網渡り不要だから爪が減った方が便利なのだから、当然生まれる変化ではないかと思う。 しかし、現実には"RTA"群のなかに、「二爪類Dionycha」として括られている訳だが。 その一方で、「篩板cribriform plate」を持つ種は、一括してまとめることはせずに、バラバラに。 おそらく、反論も多いと思われるが、素人からすれば、早くから篩板があったようだから、そこからの出糸が不要になれば喪失となるのは当然の流れではないかと思う。糸腺は7種もあり、環境に応じたバラエティが存在するというだけのことのように思える。 分岐として取り上げるなら、丈夫な糸を出せる腺を持った時点ということになろう。 こんな風になっているのだろうか。・・・ 【新生型】…脱地中穴棲+二軸鋏型牙類 ◆基底種…"有篩板"(烏帽子,昔襤褸網.葉隠,萱嶋) ◆単性域…"篩板退化" ◆性器複雑完性域 ◇全体基底種…"有篩板"(岩ガ根,塵,扁) X(長疣は無篩板) ◇円軌道造網型 その基底種…"有篩板"(目玉,渦,招き,扇) 全般的には無篩板(粘着糸使用) ◇これとは異なる群 その基底種…"有篩板"(赤黒・棘崖地・大和崖地) RTA(♂触肢の後側脛節突起保有群)・・・バラバラ 葉は"有篩板" 類縁の畠,山畑は無篩板 法師,童子は無篩板 二爪系(徘徊)は無篩板 : 棚 潮 夜道 土袋 絞 周防 襤褸網は有篩板 : 棘崖地蜘蛛・大和崖地蜘蛛はRTA群に属す類似の類のなかから、分離されたにすぎないような印象が強い。 それが、どのような分岐シナリオを意味しているのかは定かではないが、あくまでも最初は地表上に網を張っていた群ということになろうか。空中志向の円網とは志向が違うという意味か。 当然、他の場所への展開が進む訳だが、主対象餌は飛翔昆虫ではないから、そのうち網などなくても喰らいつけば捕獲はどうとかなるという方向に進んだのだろう。そして、完全徘徊体質に行き着く訳だ。 こう考えると、RTAの一群は、地表造網一族とその自然発展形の活発徘徊一族から構成されることになろうか。 鋏角類 《蜘蛛 Araneae》 │ │┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在 │┌──【古代風 Mesothelae】 ││┼┼◆Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群 └┤ ┼│┌─【原始的 Orthognatha】…真っ直ぐの牙顎類 ┼││┼◆Mygalomorphae ┼││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群》 ┼││┼┼┼└┤ ┼││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群》 ┼└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在 ┼┼│ ┼┼│↓脱地中穴棲 ┼┼│ ┼┼└─【新生型 Opisthothelae】…二軸鋏型牙類(Labidognatha) ┼┼┼┼◆Araneomorphae ┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)》 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化》…性器単純 ┼┼┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼┼┼└《Entelegynae 完性類》…性器複雑 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼↓ ┌──────────┘ ├【Eresoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根 │┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁 │┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣 │ ├【Palpimanoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷 │┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae │┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 星 │┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉 │┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae │ └【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 ┼│ ┼├Orbiculariae 円軌道造網型 ┼│┼├Deinopoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉 ┼│┼│┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼├Araneoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼└"derived araneoids" ┼│┼┼┼│ ┼│┼┼┼├───Nephilidae 女郎 ┼│┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀 ┼│┼┼┼└"reduced piriform/葡萄状腺" ┼│┼┼┼┼┼┼---("symphytognathoids" ) ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiosomatidae 山路,鳴子 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Mysmenidae 小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synaphridae 荒地小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Anapidae 鎧姫,砂粒,寄り眼 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Symphytognathidae 融顎 ┼│┼┼┼┼┼┼"araneoid sheet web weavers" ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼--("linyphioids") ┼│┼┼┼┼┼┼┼Pimoidae ピモ皿,脚縒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Sinopimoidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Linyphiidae 皿 ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼"spineless femur" ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synotaxidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Nesticidae 洞姫 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiidae 姫,尾長,後家,居候,槍 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│ ┼└Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" ┼┼├-- ┼┼│┼┼┼┼┼┼Nicodamidae 赤黒 ┼┼│ ┼┼├"titanoecoids" ┼┼│┼┼┼┼┼┼Phyxelididae 棘崖地 ┼┼│┼┼┼┼┼┼Titanoecidae 大和棘崖地 ┼┼│ ┼┼└"RTA" ♂触肢の後側脛節突起(retrolateral tibial apophysis)保有群 【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在) ◆Araneomorphae 《Entelegynae 完性類》 【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" -- -NicodamidaeNicodamid spider【造網-地表シート】[有篩板] [8眼] ○Nicodamus・・・アカクログモ類@豪州 赤黒蜘蛛"common" red-black spider(peregrinus) …前部脚は赤色だが腹黒 Main's red-black spider(mainae) "titanoecoids" -Phyxelidaeトゲガケジグモ [有篩板] -Titanoecidaeヤマトガケジグモ【造網】[有篩板] [3爪,8眼] ○Nurscia・・・ヤマトガケジグモ類 大和崖地蜘蛛(albofasciata) 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |