[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次]
節足動物 鋏角類 蜘蛛
"!
■■■ 2018年5月16日 ■■■

葉蜘蛛

🌿
虫達も 葉っぱに網は 予想せず

広葉樹の葉上にテント状の網があれば、たいていは猫葉蜘蛛の棲家。網に小さな蝿がかかっていることが多い。滓を棄てずにほったらかしなのだろうか。

🍂 枯葉蜘蛛
よく見れば 葉っぱ踏み踏み 動く者

樹皮面に襤褸網を張っていることが多いようだが、枯れてしまいカーブしているような葉の巣を作っているのが特徴なのだと思う。まさかそんなところに網がと思う訳である。

これらの造網蜘蛛とは全く無縁に見える徘徊性の種は、分岐点が近いかもしれないようだ。と言うか、上記と共に"RTA"[♂触肢の後側脛節突起(retrolateral tibial apophysis)保有群]の基底と見なされたのであろう。

🙏 法師蜘蛛
山法師 仏法護る 兵士なり

法師蜘蛛のどこに仏教的なイメージがあるのかわからぬが、跳びかかって殺すプロ中のプロであることは間違いない。
それがわかったのは、蟻を平然と襲うから。

種によって、餌の好き嫌いの差はあるだろうが、一般には蟻は攻撃的な昆虫だから敬遠したくなるもの。餌としては豊富でも、反撃は凄まじいからだ。徘徊型蜘蛛の狩猟は、普通は、咬み付いて脚で抑え込むパターンだから、かなりのリスクを覚悟せねばならぬ。
従って、それなりに工夫した体勢をとれる能力とか、それこそ耐性が欲しくなるもの。
ところが、そんな心配ご無用というのが、法師蜘蛛。
果敢に攻撃と言うより、油断している蟻に突然咬み付いて、さっと離れてしまう。反撃で傷を負うリスクは極めて低いのである。
蟻は当然ながら怒り狂って大暴れ。一方、蜘蛛はそれを高みの見物。しばらくすると、神経毒が回ってきて、鎮静化。魂があの世に飛んで行くまでの、末後の様子をじっと見守ってあげる訳だ。

・・・と言う仕草は本当らしいが、それが命名の由縁ではなさそう。頭が光っているから。それに、お寺に多く棲んでいるから、それならコリャ僧兵だとなったのだろう。

ついでに、類縁の体躯の小さい種は、童子とした訳か。
🙋 童子蜘蛛
童子とて 油断してれば 噛みつかれ

情報は少ないが立派な蟻擬態であり蟻食は間違いなかろう。

鋏角類
《蜘蛛 Araneae

┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在
│┌──【古代風 Mesothelae
││┼┼Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群
└┤
│┌─【原始的 Orthognatha…真っ直ぐの牙顎類
││Mygalomorphae
││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群
││┼┼┼└┤
││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群
└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在
┼┼
┼┼↓脱地中穴棲
┼┼
┼┼└─【新生型 Opisthothelae…二軸鋏型牙類(Labidognatha)
┼┼┼┼Araneomorphae
┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)
┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群
┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化…性器単純
┼┼┼┼┼┼┼└┤
┼┼┼┼┼┼┼┼《Entelegynae 完性類…性器複雑
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┌──────────┘
【Eresoidea】
┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根
┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁
┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣

【Palpimanoidea】
┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷
┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae
┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉
┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae

【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】

Orbiculariae 円軌道造網型
Deinopoidea
┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉
┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄

Araneoidea
┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄

"derived araneoids"
┼┼┼
┼┼┼├───Nephilidae 女郎
┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀
┼┼┼"reduced piriform/葡萄状腺"
┼┼┼┼┼┼---("symphytognathoids" )
┼┼┼┼┼┼┼Theridiosomatidae 山路,鳴子
┼┼┼┼┼┼┼Mysmenidae 小粒
┼┼┼┼┼┼┼Synaphridae 荒地小粒
┼┼┼┼┼┼┼Anapidae 鎧姫,砂粒,寄り眼
┼┼┼┼┼┼┼Symphytognathidae 融顎
┼┼┼┼┼┼"araneoid sheet web weavers"
┼┼┼┼┼┼┼┼--("linyphioids")
┼┼┼┼┼┼┼Pimoidae ピモ皿,脚縒
┼┼┼┼┼┼┼Sinopimoidae
┼┼┼┼┼┼┼Linyphiidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼"spineless femur"
┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae
┼┼┼┼┼┼┼Synotaxidae
┼┼┼┼┼┼┼Nesticidae 洞姫
┼┼┼┼┼┼┼Theridiidae 姫,尾長,後家,居候,槍
┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae

Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA"
┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Nicodamidae 赤黒
┼┼
┼┼"titanoecoids"
┼┼┼┼┼┼┼┼Phyxelididae 棘崖地
┼┼┼┼┼┼┼┼Titanoecidae 大和崖地
┼┼
┼┼"RTA" ♂触肢の後側脛節突起(retrolateral tibial apophysis)保有群
┼┼┼Dictynoidea
┼┼┼┼┼┼┼┼Hahniidae 畠 ,山畑
┼┼┼┼┼┼┼┼Dictynidae 
┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼Zodariidae 法師,童子
┼┼┼┼┼┼┼┼Penestomidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Chummidae 糸枯法師
┼┼┼
┼┼┼Dionycha 二爪
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Sparassidae 脚高,露
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Anyphaenidae 井筒
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Homalonychidae
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Clubionidae 袋,小町
┼┼┼┼┼┼┼┼Corinnidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼(Trachelidae) 
┼┼┼┼┼┼┼┼Zoridae 絞擬
┼┼┼┼┼┼┼┼Liocranidae 鼬,田圃
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Philodromidae 海老,蝦蛄,宿借
┼┼┼┼┼┼┼┼Cycloctenidae 丸絞
┼┼┼┼┼┼┼┼Salticidae 蠅捕,孔雀
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Selenopidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼--
┼┼┼┼┼┼┼┼Thomisidae 蟹,渡蟹,花,行者,安土
┼┼┼┼┼┼┼┼-- "Oblique Median Tapetum"
┼┼┼┼┼┼┼┼(本来的には含有:↑Liocranidae)
┼┼┼┼┼┼┼┼Lamponidae 尾白鷲
┼┼┼┼┼┼┼┼Cithaeronidae 韋駄天
┼┼┼┼┼┼┼┼Gallieniellidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Trachanteriidae 単衣
┼┼┼┼┼┼┼┼Ammoxenidae
┼┼┼┼┼┼┼┼Phrurolithidae(↑Corinnidae分離群) 浦島,乙姫
┼┼┼┼┼┼┼┼Gnaphosidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼Prodidomidae 伊予
┼┼┼
┼┼┼│┌"fused paracribellar"
┼┼┼││┼┼┼Stiphidiidae
┼┼┼││┼┼┼
┼┼┼││┼┼┼┼Agelenidae 草,棚
┼┼┼││┼┼┼┼Cybaeidae 並歯,水
┼┼┼││┼┼┼┼Desidae 
┼┼┼││┼┼┼┼Amphinectidae 夜道
┼┼┼└┤
┼┼┼┼│┌─┼┼Amaurobiidae 崖地,谷地
┼┼┼┼└┤
┼┼┼┼┼│┌─Tengellidae(→Zoropsida)
┼┼┼┼┼└┤"grade shaped tapetum"格子形タペータム
┼┼┼┼┼┼└┐
┼┼┼┼┼┼┼├─Udubidae(Zorocratidae)
┼┼┼┼┼┼┼"ctenoid complex"
┼┼┼┼┼┼┼Miturgidae 土袋
┼┼┼┼┼┼┼Ctenidae 
┼┼┼┼┼┼┼├─Zoropsidae 周防,逸
┼┼┼┼┼┼┼"higher lycosoids"
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Psechridae 襤褸網
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Senoculidae
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Oxyopidae 
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Pisauridae 走,岸田
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Trechaleidae 差し足
┼┼┼┼┼┼┼┼┼Lycosidae 子守

  【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在)
  Araneomorphae
《Entelegynae 完性類
  【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】
Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA"
 --
 "RTA"
 --Dictynoidea
 -HahniidaeDwarf sheet spider【造網】 [3爪]
  Hahnia・・・ハタケグモ類 (Comb-tailed spider)
   畠蜘蛛(corticicola)
  Neoantistea・・・ヤマハタケグモ類
   山畑蜘蛛(quelpartensis)
 -DictynidaeHackled-web spider【造網-ボロ】[有篩板] [3爪,8/6眼]
  Dictyna・・・ハグモ類
   猫葉蜘蛛(felis)
   雛葉蜘蛛(foliicola)
   葦葉蜘蛛(arudinacea)
   Barbed mesh-weaver鉤葉蜘蛛(uncinata)@欧州
  Brommella
   梨地枯葉蜘蛛(punctosparsa)
  Lathys
   枯葉蜘蛛(annulata 旧humilis)
   六目枯葉蜘蛛(sexoculata)
   縞枯葉蜘蛛(insulana)
  Nigma (leaf lace-weaver)
   (walckenaeri)@欧州…緑色
  Mallos
   群葉蜘蛛(gregalis)@メキシコ
     …社会性(数百匹で木の枝に数m四方で造網[シート状-産卵室多数])
       (♂:寄生者 ♀:共同狩猟者)
  Adenodictyna・・・ミナミハグモ類
   (kudoae)@奄美大島
  Parartheuma
   磯潮蜘蛛(shirahamensis)…非"潮蜘蛛"
  Cicurina
   小棚蜘蛛(japonica)@落葉層,洞窟
 --無篩板系
 -ZodariidaeAnt spider(=Cryptothelidaeイボカクシグモ) 【徘徊】 [3爪,8眼]…蟻食
  Mallinella・・・ホウシグモ類
   法師蜘蛛(hoosi)
   八重山法師蜘蛛(shimojanai)
  Asceus(旧Doosia) ・・・ドウシグモ類
   童子蜘蛛(japonica)…アジア棲蟻食 絶滅危惧種
  Zodarion
   (germanicum)@中欧
 -Penestomidae(旧所属:Eresidae岩ガ根↑)
  Penestomus
 -ChummidaeChummid spider[3爪]
  Chumma・・・イトガレホウシグモ類

「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>>  トップ頁へ>>>
 (C) 2018 RandDManagement.com