[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次] "! ■■■ 2018年5月20日 ■■■ 蟹蜘蛛蟹蜘蛛を 掌に乗せ じっと見る 8本脚のうち前半分が長く、それを上手く使って前方だけでなく横方向にも移動する。 もちろん徘徊性だが、歩き回ろうという気がある訳ではなく、餌を見つけるとそちらに向かって最短距離で近付こうと頑張っているに過ぎない。 普段は物陰に潜んで様子を窺がっているのである。 横歩きというだけでなく、木肌蟹蜘蛛など、体躯も蟹的な姿と言えよう。[→PHOTO by (CC) Alex V. Popovkin] 蝤蛑蜘蛛も独特の体形であり、菱形と言えばその通り。[→PHOTO Pistius undulatus♀ by (CC) Daiju Azuma] この類縁は全般的に長さより幅のほうが広い。尚、他の甲殻類名の蜘蛛とは極く近縁と言う程ではなさそうだ。 そうそう、女子会あるいは安い居酒屋に生息するという"カニグモ系女子"類もあげておこう。学問的にはリンジン目コマッタチャン科に属すそうだ。・・・ [→「不幸酔い体質 カニグモ系女子」] @篠原かをり:「恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略」(C) 文芸春秋 CREA 格好つけ 単衣着流し なつかしき 極めて扁平な体躯(1mm厚-体長7〜8mm)の希少種。当然ながら、隙間に入っており、すばしこい横歩きも可能。 石垣土塀、部屋の壁の割れ目や境目が多かった時代には楽勝だったのだろうが、ひび割れがなくない目地埋材が使われたりプレハブが増えれば生きていく場所を失っていくことになる。 袷[アワセ] v.s. 単衣[ヒトエ]ということで、薄さ日本一を誇っていたが、和服では日々の生活を送れない時代なので消え去っていく運命だろう。 シノギあい 見た目ほどには 楽でない 猛禽類の鷲鷹の意味ではなく、ギリシア神話の女神ネメシスの車を引く"鷲+獅子"[griffin]を指す。(馬を喰うと言われている。) 従って、空中を跳ぶのではなく、暗い地表を徘徊する種であろう。 と言っても、歩き回ることを旨としている訳ではなく、落ち葉や石の下に隠れ、ボケーとやってくる餌を待ち構えている訳だ。従って、体色は暗色。煙蜘蛛と呼ばれる類など、真黒な黒煙を想起させる体色だと思われる。 切削歯を研ぐ道具名である"目切"とか、"手斧"という名称の種もあるから、歯や牙が独特の形をしているのかも知れぬ。 どうあれ、この手の好暗性で、凶器を持っているゴロツキ連中は汎世界的に存在している筈だ。 美しき 花の側には 悪が居る 蜜を頂戴すべく花に近づく虫を捉える蜘蛛。若草色で目立たないようにしているようだが、おそらく居住する場所の花弁に似た色に変る能力は持っていよう。写真も色々だが、花よりは、蕾に見えるような姿をしていることが多い。 しかし、この生活はそう簡単にできるものでははなかろう。 飛翔昆虫なら虫媒花の位置を知ることができるが、肉食である蜘蛛にそのような花を探せる感覚器官があるとは思えないからだ。 そして、そのような虫を餌にしている競争相手とは、蜥蜴や鳥であって、当然ながらそれらからみれば蜘蛛も御馳走そのもの。かなりリスクの高い狩の筈。おそらく、影に隠れていて、チャンスありとなったら表に登場ということではないか。 尚、人によっては、"鼻蜘蛛"と呼んだりする。背免に模様があるが、それが顔の形にも見え、丁度中心にある鼻穴部分が目立つので。 葉の色で 隠れたつもりが 逆効果 若葉の頃に葉上を徘徊する種だが、美麗との評価が高い。 気が付けば 何時の間にやら 浦島に 浦島という芋貝のように海中棲ならわかるが、陸棲生物に浦島とはどういうことなのだろう。 とんでもない不便な離島でようやく発見し、そんな苦労を重ねてきたからついに白髪になってしまったゾという研究者の嘆息を込めた命名かとも思ったが、単に島で発見されたからとの記述を見かけた。詳細未確認だが、老人島で見つけたということかも。 蟻擬態的一族のようでもある。 その種に似ているとされるのが、乙姫蜘蛛。う〜む。"カニグモ系女子"かネ。 鋏角類 《蜘蛛 Araneae》 │ │┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在 │┌──【古代風 Mesothelae】 ││┼┼◆Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群 └┤ ┼│┌─【原始的 Orthognatha】…真っ直ぐの牙顎類 ┼││┼◆Mygalomorphae ┼││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群》 ┼││┼┼┼└┤ ┼││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群》 ┼└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在 ┼┼│ ┼┼│↓脱地中穴棲 ┼┼│ ┼┼└─【新生型 Opisthothelae】…二軸鋏型牙類(Labidognatha) ┼┼┼┼◆Araneomorphae ┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)》 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化》…性器単純 ┼┼┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼┼┼└《Entelegynae 完性類》…性器複雑 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼↓ ┌──────────┘ ├【Eresoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根 │┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁 │┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣 │ ├【Palpimanoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷 │┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae │┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 星 │┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉 │┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae │ └【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 ┼│ ┼├Orbiculariae 円軌道造網型 ┼│┼├Deinopoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉 ┼│┼│┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼├Araneoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼└"derived araneoids" ┼│┼┼┼│ ┼│┼┼┼├───Nephilidae 女郎 ┼│┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀 ┼│┼┼┼└"reduced piriform/葡萄状腺" ┼│┼┼┼┼┼┼---("symphytognathoids" ) ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiosomatidae 山路,鳴子 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Mysmenidae 小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synaphridae 荒地小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Anapidae 鎧姫,砂粒,寄り眼 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Symphytognathidae 融顎 ┼│┼┼┼┼┼┼"araneoid sheet web weavers" ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼--("linyphioids") ┼│┼┼┼┼┼┼┼Pimoidae ピモ皿,脚縒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Sinopimoidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Linyphiidae 皿 ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼"spineless femur" ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synotaxidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Nesticidae 洞姫 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiidae 姫,尾長,後家,居候,槍 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│ ┼└Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" ┼┼├-- ┼┼│┼┼┼┼┼┼Nicodamidae 赤黒 ┼┼│ ┼┼├"titanoecoids" ┼┼│┼┼┼┼┼┼Phyxelididae 棘崖地 ┼┼│┼┼┼┼┼┼Titanoecidae 大和崖地 ┼┼│ ┼┼└"RTA" ♂触肢の後側脛節突起(retrolateral tibial apophysis)保有群 ┼┼┼├Dictynoidea ┼┼┼│┼┼┼┼┼Hahniidae 畠,山畑 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Dictynidae 葉 ┼┼┼├─ ┼┼┼│┼┼┼┼┼Zodariidae 法師,童子 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Penestomidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Chummidae 糸枯法師 ┼┼┼│ ┼┼┼├Dionycha 二爪 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Sparassidae 脚高,露 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Anyphaenidae 井筒 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Homalonychidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Clubionidae 袋,小町 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Corinnidae 蜂 ┼┼┼│┼┼┼┼┼(Trachelidae) 猫 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Zoridae 絞擬 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Liocranidae 鼬,田圃 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Philodromidae 海老,蝦蛄,宿借 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Cycloctenidae 丸絞 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Salticidae 蠅捕,孔雀 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Selenopidae 袷 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Thomisidae 蟹,渡蟹,花,行者,安土 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- "Oblique Median Tapetum" ┼┼┼│┼┼┼┼┼(本来的には含有:↑Liocranidae) ┼┼┼│┼┼┼┼┼Lamponidae 尾白鷲 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Cithaeronidae 韋駄天 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Gallieniellidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Trachanteriidae 単衣 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Ammoxenidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Phrurolithidae(↑Corinnidae分離群) 浦島,乙姫 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Gnaphosidae 鷲 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Prodidomidae 伊予 ┼┼┼│ ┼┼┼│┌"fused paracribellar" ┼┼┼││┼┼┼├Stiphidiidae ┼┼┼││┼┼┼└ ┼┼┼││┼┼┼┼Agelenidae 草,棚 ┼┼┼││┼┼┼┼Cybaeidae 並歯,水 ┼┼┼││┼┼┼┼Desidae 潮 ┼┼┼││┼┼┼┼Amphinectidae 夜道 ┼┼┼└┤ ┼┼┼┼│┌─┼┼Amaurobiidae 崖地,谷地 ┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼│┌─┼Tengellidae(→Zoropsida) ┼┼┼┼┼└┤"grade shaped tapetum"格子形タペータム ┼┼┼┼┼┼└┐ ┼┼┼┼┼┼┼├─Udubidae(Zorocratidae) ┼┼┼┼┼┼┼├"ctenoid complex" ┼┼┼┼┼┼┼│┼Miturgidae 土袋 ┼┼┼┼┼┼┼│┼Ctenidae 絞 ┼┼┼┼┼┼┼├─Zoropsidae 周防,逸 ┼┼┼┼┼┼┼└"higher lycosoids" ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Psechridae 襤褸網 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Senoculidae ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Oxyopidae 笹 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Pisauridae 走,岸田 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Trechaleidae 差し足 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Lycosidae 子守 【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在) ◆Araneomorphae 《Entelegynae 完性類》 【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" -- "RTA" --Dionycha 二爪 -SelenopidaeWall spiderアワセグモ【徘徊】 [2爪,8眼] ○Selenops Wall crab spider(radiatus)@豪州 -ThomisidaeCrab spider【徘徊】 [2爪,8眼] (包含-Stiphropidae ヨロイカニグモ) …脅威を感じると横歩き ○Xysticus・・・カニグモ類【徘徊昼行性】 闇色蟹蜘蛛(croceus) 鶏冠闇色蟹蜘蛛(crisiatus) ○Tmarus 虎斑蟹蜘蛛(piger) 背丸虎斑蟹蜘蛛(rimosus) ○Phrynarachne・・・サカグチトリノフンダマシ類 坂口鳥糞騙(sakaguchii)…天道虫擬態 加藤付尾蜘蛛(katoi)…鳥糞擬態(+異臭) Bird dung crab spider(decipiens, tuberosa & peeliana)…鳥糞擬態 ○Pistius・・・ガザミグモ類 蝤蛑蜘蛛(undulatus) ○Misumenops・・・ハナグモ類…花中で待ち伏せ 花蜘蛛(tricuspidatus) ○Misumena 姫花蜘蛛 Goldenrod crab spider(vatia)@北米 ○Oxytate・・・ワカバグモ類 若葉蜘蛛(striatipes)…体躯が透明感ある緑色 ○Heriaeus・・・アシナガカニグモ類 脚長蟹蜘蛛(melloteei)@草棲…緑色 ○Diaea・・・ギョウジャグモ類 行者蜘蛛(gyoja) 小花蜘蛛(subdola) (eregandros) ○Thomisus・・・アズチグモ類 安土(垜)蜘蛛(labefactus) 白安土蜘蛛(onustus)@ユーラシア大陸…"JHFabre:l'araignée-crabe" ○Epicadus Seven-spined crab spide(heterogaster) ○Bassaniana 木肌蟹蜘蛛(decorata) ○Aphantochilus…蟻擬態 ○Synema 不の字蜘蛛Napoleon spider(globosum) ○Stephanopis Knobbly crab spider(altifrons) ○Runcinia・・・シロスジグモ類 尖白条蜘蛛 Long crab spider(acuminata or elongata) -CycloctenidaeScuttling spiderマルシボグモ@豪州,NZ --Oblique Median Tapetum (本来的には含有:Liocranidaeウエムラグモ↑) -Lamponidae オジロワシグモ ○Lampona White-tailed spider(cylindrata)@豪州東部▲噛傷感染症…蜘蛛食 -Cithaeronidae イダテングモ -Gallieniellidae アイアイグモ[8眼]@マダガスカル,豪州 -Trachanteridae ヒトエグモ【徘徊】 [2爪,8眼] ○Plator 単衣蜘蛛(nipponicus)…極めて扁平な体躯(1mm厚-体長7〜8mm)希少種 -AmmoxenidaeTermite hunterハシエグモ@アフリカ, 豪州 ○Ammoxenus Termite eating spider(amphalodes) -Phrurolithidae(↑Corinnidaeネコグモから分離) ○Phrurolithus 浦島蜘蛛(nipponicus)@山地の落葉層 矢羽浦島蜘蛛(pennatus)…黒蟻擬態(蟻幼虫食) 薄色浦島蜘蛛(labialis)…蟻巣棲 ○Orthobula・・・オトヒメグモ類@土壌間隙棲 乙姫蜘蛛(crucifera) ○Otacilia 小村浦島蜘蛛(komurai) 黄金浦島蜘蛛(vulpus) 山猫浦島蜘蛛(lynx) -GnaphosidaeFlat-bellied ground spide) ワシグモ【徘徊好暗性】 [2爪,8眼] ○Drassodes・・・ワシグモ類 虎斑鷲蜘蛛(serratidens) (cupreus)@英国南部ヒース地帯 Stone spider(lapidosus) ○Callilepis・・・テオノグモ類 真弓手斧蜘蛛(nocturna) ○Zelotes・・・ケムリグモ類 黒煙蜘蛛(tortuosus) ○Drassyllus・・・ヨリメケムリグモ類 海老茶寄目煙蜘蛛(sanmenensis) ○Anzacia Silvery vagabond spider(gemmea) ○Hemicloea Flattened bark spider(rogenhoferi) ○Micaria 鬚長艶蜘蛛Jewel ant-spider(dives)…蟻擬態 ○Gnaphosa・・・メキリグモ類 目切蜘蛛(kompirensis) -ProdidomidaeLong-spinneret ground spiderイヨグモ【徘徊】 [2爪,8眼] ○Prodidomus 伊予蜘蛛(rufus) ○Lygromma (anops)@ガラパゴス 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |