[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次] "! ■■■ 2018年5月25日 ■■■ 魚釣スパイダー釣れるなら 外道も雑魚も 歓迎だ 水辺を徘徊している種だが、見方によって、名前も違ってくる。 日本名は走蜘蛛だが、発見して捕捉しようと動けば蜘蛛君はすかさず逃げる。多くの場合は水面に出て滑走することになる。素晴らしき技術と言えよう。さらに危険となれば、潜水もいとわない。 しかし、当たり前だが、逃亡のために水辺にいる筈がない。その辺りは虫の宝庫であるからで、当然ながら危険も少なくないが、美味しい生活を送れる場であるのは間違いない。嫌いな餌はあるのだろうが、ここで取り上げるタイプは水中棲生物を狙うようだ。大きな体躯の蜘蛛だと、小魚や蛙をメインの餌にしているらしい。昆虫より栄養的に上だろうから一度味をしめればやめられまい。 どこまで本当なのかわからぬが、水面を叩き稚魚やお玉杓子をおびき寄せて捕獲するとの記載も見かける。Fishingの技を持っている訳だ。 ただ、この一族の特徴は卵嚢を口に銜えて運んでいること。こうすれば、卵を喰われる恐れがないのだろうが、絶食しなければならないので大変だ。 孵化直前になると、ここゾ最適地と思われる枝等に卵嚢をブル下げる。おそらく、その性格から見て、近くでじっと見守っているのだろう。生存競争激甚の地であり、蛙にでも見つかれば即座に嚢ごと一飲みにされてしまうだろう。 綾取りで 揺り籠作る 気分して 別途とりあげる予定の子守蜘蛛と紛らわしい名称だが、日本における子守のイメージは、赤ん坊を背負う姿であり、こちらは赤ん坊用にテント状網を張るという意味だから、全く異なる仕草である。尚、日本名なら岸田蜘蛛となるから、誤解しようがない。ただ、子守蜘蛛と似ているので間違われることは少なくないようだ。 それにしても、卵嚢を口で銜えながら、出糸して造網するのだから大変な仕事である。テントが完成すると、卵嚢内で孵化して最初の脱皮を済ませた幼児がでてくるのだろう。 抜き足に 差し足 さらに 忍び足 素早く逃亡するし、色が半透明的で目立たないので、見逃し易くてえらく見つけにくいらしい。 この種は、類縁一族の生活ルールたる卵嚢を口で銜えることをしないから、分家筋である。後部末端にぶる下げるから、遠戚の子守蜘蛛的な習性。両者の中間的な体質を持っていそう。 鋏角類 《蜘蛛 Araneae》 │ │┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在 │┌──【古代風 Mesothelae】 ││┼┼◆Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群 └┤ ┼│┌─【原始的 Orthognatha】…真っ直ぐの牙顎類 ┼││┼◆Mygalomorphae ┼││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群》 ┼││┼┼┼└┤ ┼││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群》 ┼└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在 ┼┼│ ┼┼│↓脱地中穴棲 ┼┼│ ┼┼└─【新生型 Opisthothelae】…二軸鋏型牙類(Labidognatha) ┼┼┼┼◆Araneomorphae ┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)》 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化》…性器単純 ┼┼┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼┼┼└《Entelegynae 完性類》…性器複雑 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼↓ ┌──────────┘ ├【Eresoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根 │┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁 │┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣 │ ├【Palpimanoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷 │┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae │┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 星 │┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉 │┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae │ └【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 ┼│ ┼├Orbiculariae 円軌道造網型 ┼│┼├Deinopoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉 ┼│┼│┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼├Araneoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼└"derived araneoids" ┼│┼┼┼│ ┼│┼┼┼├───Nephilidae 女郎 ┼│┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀 ┼│┼┼┼└"reduced piriform/葡萄状腺" ┼│┼┼┼┼┼┼---("symphytognathoids" ) ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiosomatidae 山路,鳴子 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Mysmenidae 小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synaphridae 荒地小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Anapidae 鎧姫,砂粒,寄り眼 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Symphytognathidae 融顎 ┼│┼┼┼┼┼┼"araneoid sheet web weavers" ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼--("linyphioids") ┼│┼┼┼┼┼┼┼Pimoidae ピモ皿,脚縒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Sinopimoidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Linyphiidae 皿 ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼"spineless femur" ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synotaxidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Nesticidae 洞姫 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiidae 姫,尾長,後家,居候,槍 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│ ┼└Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" ┼┼├-- ┼┼│┼┼┼┼┼┼Nicodamidae 赤黒 ┼┼│ ┼┼├"titanoecoids" ┼┼│┼┼┼┼┼┼Phyxelididae 棘崖地 ┼┼│┼┼┼┼┼┼Titanoecidae 大和崖地 ┼┼│ ┼┼└"RTA" ♂触肢の後側脛節突起(retrolateral tibial apophysis)保有群 ┼┼┼├Dictynoidea ┼┼┼│┼┼┼┼┼Hahniidae 畠,山畑 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Dictynidae 葉 ┼┼┼├─ ┼┼┼│┼┼┼┼┼Zodariidae 法師,童子 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Penestomidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Chummidae 糸枯法師 ┼┼┼│ ┼┼┼├Dionycha 二爪 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Sparassidae 脚高,露 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Anyphaenidae 井筒 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Homalonychidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Clubionidae 袋,小町 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Corinnidae 蜂 ┼┼┼│┼┼┼┼┼(Trachelidae) 猫 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Zoridae 絞擬 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Liocranidae 鼬,田圃 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Philodromidae 海老,蝦蛄,宿借 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Cycloctenidae 丸絞 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Salticidae 蠅捕,孔雀 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Selenopidae 袷 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- ┼┼┼│┼┼┼┼┼Thomisidae 蟹,渡蟹,花,行者,安土 ┼┼┼│┼┼┼┼┼-- "Oblique Median Tapetum" ┼┼┼│┼┼┼┼┼(本来的には含有:↑Liocranidae) ┼┼┼│┼┼┼┼┼Lamponidae 尾白鷲 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Cithaeronidae 韋駄天 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Gallieniellidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Trachanteriidae 単衣 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Ammoxenidae ┼┼┼│┼┼┼┼┼Phrurolithidae(↑Corinnidae分離群) 浦島,乙姫 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Gnaphosidae 鷲 ┼┼┼│┼┼┼┼┼Prodidomidae 伊予 ┼┼┼│ ┼┼┼│┌"fused paracribellar" ┼┼┼││┼┼┼├Stiphidiidae ┼┼┼││┼┼┼└ ┼┼┼││┼┼┼┼Agelenidae 草,棚 ┼┼┼││┼┼┼┼Cybaeidae 並歯,水 ┼┼┼││┼┼┼┼Desidae 潮 ┼┼┼││┼┼┼┼Amphinectidae 夜道 ┼┼┼└┤ ┼┼┼┼│┌─┼┼Amaurobiidae 崖地,谷地 ┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼│┌─┼Tengellidae(→Zoropsida) ┼┼┼┼┼└┤"grade shaped tapetum"格子形タペータム ┼┼┼┼┼┼└┐ ┼┼┼┼┼┼┼├─Udubidae(Zorocratidae) ┼┼┼┼┼┼┼├"ctenoid complex" ┼┼┼┼┼┼┼│┼Miturgidae 土袋 ┼┼┼┼┼┼┼│┼Ctenidae 絞 ┼┼┼┼┼┼┼├─Zoropsidae 周防,逸 ┼┼┼┼┼┼┼└"higher lycosoids" ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Psechridae 襤褸網 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Senoculidae ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Oxyopidae 笹 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Pisauridae 走,岸田 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Trechaleidae 差し足 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼Lycosidae 子守 【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在) ◆Araneomorphae 《Entelegynae 完性類》 【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" -- "RTA" "fused paracribellar" "grade shaped tapetum"格子形タペータム "higher lycosoids" -Pisauridae(含:旧Halidaeハナレメグモ) Nursery web spider【徘徊】 [3爪]…♀は育児用に造網(テント型) ○Dolomedes・・・ハシリグモ類(Fishing spider) 大走蜘蛛(orion)@沖縄渓流沿林棲…巨大(重量的には多分日本最大種) 硫黄色走蜘蛛(sulfureus)…かなり獰猛なようだ. 石垣青黒走蜘蛛Okinawan fishing spider(yawatai) 筋赤走蜘蛛(silvicola) 筋太走蜘蛛(saganus) (Nursery web spider)(minor)@NZ Raft spider(fimbriatus)@欧州 Great raft spider(plantarius)@欧州 Rangatira spider(schauinslandi) Striped fishing spider(scriptus)@北米 Dark fishing spider(tenebrosus)@北米 Six-spotted fishing spider(triton) ○Pisaura・・・キシダグモ類 [3爪,8眼] 東岸田蜘蛛(lama) 悲しみ岸田蜘蛛(mirabilis)@汎欧州 (Nursery web spider)(mira)@米国 ○Megadolomedes Giant water spider(australianus) -Trechaleidae Longlegged water spiderサシアシグモ@南米 [3爪,8眼]@中南米 ○Sinobius・・・シノビグモ類 忍び蜘蛛(orientalis)…伊賀発見記載種 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |