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2004.1.1 |
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ハンバーガー文化の転換点…ハンバーガー店といえば、米国文化が世界を席巻する象徴とされてきた。反米勢力や、反大企業派の反撥を受けながらも、消費者の強い支持で、各国で、市場が順調に育ってきたと言えよう。
日本では、ブランド競争も一段落し、勝ち組みがさらに伸びると考えられていた。日本マグドナルド上場期には、当時の藤田田社長が、「2015年迄に、1万店で売上1兆円を実現」とのビジョンをよく語っていた位で、ハンバーガー消費はさらに伸びるとの予想が受け入れられていたのである。 ところが、日本マグドナルドの2002年度決算は、一転して、赤字に陥落した。米国マグドナルドにとっては、海外成長戦略の大誤算だったろう。 その米国マグドナルドも、1990年代は純利益が毎年1割増を記録し、絶好調だった。2000年には売上が400億ドルを越え、王者の風情を醸し出すまでになった。 それが、2001年、2002年と、大幅減益に直面したのである。 日米の両マクドナルドが不振に陥った訳だ。両者に共通しているのは、小商圏への店舗積極展開策が裏目に出た点である。売上増効果より、不採算店増加の影響が大きかったといえる。 小型店出店攻勢で地域カバー率を高めて売上増を実現し、そのスケールメリットによる安価調達力の更なる強化を狙った路線が上手く働かなかったのである。 (佐藤昂著「いつからファーストフードを食べてきたか」日経BP社 2003年)
このことは、「安価ハンバーガー」のファーストフード市場が飽和したことを示すものと言えよう。 便利な場所で、待たずに、安価で、それなりに心地よい環境で、気遣いなく、気楽に食べられる、ファーストフードの代表たるハンバーガーに飽きがきたとなると、市場は大きく変わる可能性が高い。 時あたかも、日本のファーストフード業界を牽引してきた「第1世代」経営者が退陣した。新しいファースト・フードの時代の幕開けと言えそうだ。 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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