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2004.8.31
 
 


メダル獲得の栄養学…

 アテネオリンピックでの、日本選手の個人技には驚いた。お蔭で、生放送を見ることになり、寝不足の人が多かったと思う。
 水泳、柔道など滅多に見なかった人も、連日、テレビを眺めていた、というのが実情だろう。

 競技の映像はそれだけで魅力的だったが、勝利インタビューの方はひどいものだった。
 気分を帳消しにするような、質が低くどうでもよいようなコメントをする出演者がいたり、選手を知らない上、スポーツそのものも全く勉強していないとしか思えない出演者まで登場する番組まであった。

 このため、活躍の秘訣は、インタビューからは全くわからなかった。

 しかし、放送をずっと眺めていると、なんとなくわかってきた点がある。
 活躍した日本選手は最後の一瞬まで試合を諦めず戦っている。と言うより、試合の最終段階で底力を発揮したように見える。特に、柔道重量級の印象は強烈だった。選手は、おそらく疲労の局地に到達している。ところが、ここ一瞬のチャンスを生かすことができたのである。この精神力とバイタリティは素晴らしいの一語につきる。
 今までの日本選手のパターンは、最後に気力が尽きてしまったり、スタミナ切れで、惜くも敗退、というパターンが多かったように思う。これが、今回は全く逆なのだ。
 後半から力がみなぎってくる選手ばかりが目立つ。しかも、最後まで精神力が持続している。驚異的である。

 これだけ一気に開花したのは、栄養学の成果活用にあるのではなかろうか。

 特に、糖質摂取コントロールとテーラーメイドのアミノ酸摂取効果が抜群だったと思われる。

 前者は、試合の相当前に、糖質摂取だけを減らして、体の糖質要求を高めておき、数日前から糖質摂取の増量をすることで、試合時の糖質蓄積量を普段より多くする方法である。試合時も、果糖を摂取することで、エネルギー源を保つ。これで十分なスタミナをつける訳だ。
 この考え方は、カーボローディングと言われ、よく知られているが、日本選手も本格的に使うようになったのではないだろうか。

 一方、後者は、最新の栄養学の成果である。
 日本企業が持つ、アミノ酸に関する豊富な知見を活用することで、選手の力が100%引き出せたと言える。的確に摂取しておけば、持久力持続や疲労回復に大きな効果あるのは間違いないのである。また、競技の最後の一瞬まで、燃焼できる効果も発見されている。

 こうした栄養学の知見が、日本選手の活躍の背景にありそうな気がする。


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