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2005.11.14
 
 


インスタント・ラーメン市場の拡大…

 スペースシャトル・ディスカバリー号の飛行士 野口聡一さんのリクエストに応えて、宇宙食にラーメンが登場した。麺+汁ものを無重力空間で食べるのだから、開発は簡単なものではなかろう。かなりのマンパワーと時間が投入されたようだ。(1)
 野口さんのセンスも優れているが、ラーメンメーカーの新商品開発への情熱には、まさに脱帽である。
 もっとも、この過程で生れた新技術を、インスタント・ラーメン市場の拡大に繋げるのは難しそうだが。

 味は、味噌味、カレー味、豚骨味等の4種類だそうだが、野口さんは豚骨味が好きで全部食べてしまったそうだ。ちなみに、米国人の同僚にはカレー味が好評だったという。(2)

 ところで味といえば、最近は韓国系のキムチ味やベトナム系のフォーに人気がでているようだ。
 アジア系に限らず、年中新製品が登場しており、それが楽しみの人も多いのかもしれない。(3)

 そういえば、米国のインスタントラーメンも、違う食文化の味が流行っているとの話を、だいぶ前に聞いた覚えがある。といっても、一袋当たりで計算すれば、10円程度の商品も並ぶ社会だから、日本のアジア風ラーメンと同じように見るべきではないだろうが。

 それにしても、Picante とかSalsa のラーメンがあるというから驚きである。言うまでもなく、ベースはビーフ、チキン、シュリンプ系の味だが。日本流で記載すれば、“メキシカンの辛!”といった所だろうか。
 さらには、Birria (肉+コンソメ+トマト料理)やTlalpeno (アボガド チキンスープ料理)といったものまで登場しているという。

 このようなバラエティ化が進むのは、普通は市場が飽和した時だが、米国市場はまだ伸び盛りである。年率1割を軽く越える成長らしい。
 2003年のデータでは、ほぼ市場が飽和した感がある日本市場が54億食。一方、米国は38億食だ。(4)
 米国では、スープ好きも多いから、人口から考えると、まだまだポテンシャルがありそうだ。

 メキシコ系住民が増えてきたから、さもありなんと思って、こんな話を聞いていたのだが、LATimes に、メキシコでインスタント・ラーメンが大流行しているとのコラムが掲載された。(5)
 安くて便利で、結構美味しいから、浸透しているらしい。ラーメンのブランドがすでに単語化しており、「maruchan nation」などと言ったりするまでになっている。国民食になりつつあるのだろう。

 確かに、日給13ドル以下の人達にとっては、1食40セント弱のインスタントラーメンは魅力的といえよう。

 このコラムは、米と豆の伝統料理が廃れたり、健康問題発生という、マイナス面を取りあげているのだが、そんなことを心配するより、先ずは、13ドルから脱する経済発展を考えた方が有意義だろう。

 即席麺を発明した安福氏の“Peace follows from a full stomach.”こそ正論だろう。

 --- 参照 ---
(1) http://www.nissinfoods.co.jp/news/news_release050727.html
(2) http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005102100115&genre=K1&area=O10
(3) 3,000食を軽く越す試食レポートに“唖然” http://www.i-ramen.net/
(4) http://www.instantramen.or.jp/data/data02.html
(5) “Steeped in a New Tradition”[2005年10月21日]
  http://www.latimes.com/news/printedition/la-fi-ramennation21oct21,1,5530636.story?track=mostemailedlink


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