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2007.3.5 |
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ハンバーガー人気は落ちない…チャールズ英皇太子がUAE訪問中にMcDonald's 禁止を勧めたらしい。(1)米国型“工業的”ビジネスが、文化的に面白くないのはわからないでもないが、世界中で、子供連れ家族がMcDonald's で愉しんでいるのが実情だ。要するに、地元食文化の力が衰えていると言うこと。魅力を失った原因を考えずに、他の文化を叩いたところで、効果があるとは思えないが。 そもそも、外食業とは、品質バラバラの家庭料理から脱却し、簡便で美味しい食を提供することが基本である。高級レストランだろうが、廉価なファーストフードだろうが、その本質は変わらない。 割烹に見えても、板前無しで、工場から料理を冷凍・冷蔵で直送するビジネスがあったりする。ニーズがあるから工業化が進むのであり、工業化を止めるのは無理筋だろう。 それに、ハンバーガーが好かれるのは、脂大好き人間が多いからだ。宅配兼業の本格派ハンバーガー屋さんが流行っているのを見れば明らかである。 霜降り牛肉を美味しいと食べている一方で、ハンバーガーだけを目の敵にしたところで、問題解決にはなるまい。 などと、つい考えてしまったのは、2007年1月12日、日本マクドナルドで「メガマック」が発売され、大人気だったからである。丼もので言えば、大盛りと言うか、それこそ倍盛りである。 そのお蔭か、既存店売上高が前年同月比で8.2%も増えた。(朝食メニュー効果や営業時間増大の寄与もある。)(2) 当然の結果だと思う。 もっとも、McDonald's では、ハンバーガー以外のメニューも結構大きな商売になっているようだ。 米国の全国紙によれば、「Filet-O-Fish」は年間3億個売れるそうである。 ほほ〜、健康志向で、赤(牛)から白(鶏)へ、さらには魚へと進んでいるのかと思いがちだが、この商品はカトリック教徒が金曜日(“Lent”)に肉食を避けたいとのニーズに応えた商品だという。1962年発売というから驚き。 現在でも、23%はこの期間に売れるそうだ。 実は、これ、The Cincinnati Enquirer というローカル紙の転載記事である。(3) どうしてローカル紙かと言えば、「Filet-O-Fish」発明者は、この地域のMcDonald's のフランチャイズ店のオーナーだからである。金曜に売上が落ち、魚のサンドイッチの店にお客さんを奪われるので、なんとかしようと頑張った訳だ。 これに対して、McDonald's 側の肉無し製品のアイデアは、パイナップルを挟んだ「Hula Burger」だったという。だが、美味しさ(バターとタルタルソース)で訴求した、馴染みのある形態の「Filet-O-Fish」が売れたということらしい。 地域に密着している店のオーナーが創出する商品は結構大型商品に育ったようである。 「Big Mac」はPittsburgh 、「Egg McMuffin」 はSanta Barbaraだ。(4) そんなことは、業界人ならとうにご存知。外食産業は、毎日、消費者にいかに食べてもらうか考え抜いているのである。 ハンバーガーがお嫌いなら、どうシェアを奪うか、知恵を絞るべきだと思うが。 --- 参照 --- (1) “Charles sparks McDonald's row” BBC [2007.2.27] http://news.bbc.co.uk/player/nol/newsid_6400000/newsid_6401000/6401021.stm?bw=nb&mp=rm (2) http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2007/release-070207.html (3) Paul Clark: “No fish story: Sandwich saved his McDonald's” USA TODAY [2007.2.20] http://www.usatoday.com/money/industries/food/2007-02-20-fish2-usat_x.htm (4) http://mcdonalds.com/corp/about/mcd_history_pg1/mcd_history_pg3.html 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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