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2007.4.3 |
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中国養殖水産業の巨大さ…中国の水産業の生産量増加はどこまで可能なのだろうか。13億の人口を抱える国だから、どんな食材だろうが、いくらでも消費可能だと思う。しかし、海面は限られており、供給可能な量には上限がある。 すでに、世界中で、魚の獲り過ぎ防止策が始まっている。持続可能な漁業にするためには、生産量増加率はゼロかマイナスにするしかないということだ。 中国も1999年には、TAC制を取り入れ漁獲規制を始めている。現場が遵守できれば、中国も漁獲量ゼロ成長路線に入っている。
問題は養殖漁業の方。 こちらは、未だに生産量増大が続いている。 FAOの統計を見ると、中国養殖生産量の成長率は5%だが、その絶対値を考えると、毎年日本一国の生産量をはるかに超える量を増産していることになる。 もっとも、中国の数字は意味が違うし、正確性の問題もあるから無視する人もいるだろう。 ただ、中国が、とてつもなく巨大な養殖場をどんどん増やしていることを示す象徴的な数字である。 [注意: この統計数字は, なんでもかんでも重さで合計する仕組み. 殻付き貝や, 使わない部分を含めた取立ての海藻と, 魚を一緒に扱っている. 細かな数字は原データにあたる必要がある.] この動きが、どのような結果をもたらすか、そろそろ考える時期にきていると思う。 例えば、魚の単一種を高密度で養殖すれば、どうなるかは素人でもわかる。狭い地域の環境で生きている種は絶滅するというのは致し方ないが、厄介なのは、養殖種が使わない成分が、養殖場一帯で蓄積していくことによる環境破壊である。 すでに、赤潮(青・緑)が発生の話は耳にするが、これがさらにひどくなる。栄養過多というだけならまだしも、海底のヘドロ化へと進む可能性も否定できない。 そうならなければよいが。 ただ、中国の生産量が、これほど大きな数値になるのは、貝(牡蠣、浅蜊、等)、海藻(昆布、等)が、魚と並ぶ海産物として扱われるからである。 要するに、貝(Molluscs:軟体動物)・海藻(Aquatic plants)は、どちらも1,000万トン近辺の生産量ということ。世界シェアでは6〜7割。 日本も含めて、ほとんどの国では、貝とか海藻は、マイナーな海産物であるから、中国の毎年1,000万トン生産との状況は感覚的にとらえにくいかもしれない。 わかり易い言葉に直せば、東シナ海の海岸線で利用できそうな岸辺はすべて養殖場になると言うこと。日本の狭い遠浅海岸とは違い、広大な大陸的干潟が多いから、こんなことができるのである。 これが、どんな影響を与えるのかは、よくわからない 少なくとも、多種が棲む海はなくなる。そして、ゆくゆくは、米国流農業と同じ仕組みが導入されていくことになろう。 陸でできたのだから、海もそうなるということかも知れない。 --- 参照 --- (1) 「The state of World Fisheries and Aquaculture 2006」 http://www.fao.org/docrep/009/a0699e/a0699e00.htm 詳細なFAO統計を調べたい場合→ 「Fishstat Plus」 http://www.fao.org/fi/statist/FISOFT/ 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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