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2007.8.7 |
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茄子の話…茄子は、いかにも夏野菜という感じで、ほとんどが水分。 栄養分らしきものは無い。 健康に気遣うご時世に、こんな野菜は見向きもされなくなりそうだが、不思議なことにその逆で、人気は落ちない。
・・・と言うことらしい。 ただ、スーパーを見る限り、品種のバラエティは極めて少ない。 小さな卵型5本入りの袋モノが定番。これに、時々、長茄子や米茄子が加わる程度。それに、京野菜の丸茄子が別途置かれる位のもの。これが、季節感無しに一年中続く。 ただ、漬物は、芥子味噌の小茄子を初めとして、様々な茄子が登場しているようだ。値段もピンからキリまで。 もっとも、こんなことが言えるのは、東京だからかも知れないが。 日本一の茄子好き県と言われる新潟では、卵型茄子と米茄子が並ぶどころではない。少なくとも、焼き茄子用の長茄子、浅漬用に、丸茄子や小茄子が数種類並ぶのが普通だという。7〜8種類並んでいても、誰も驚かないらしい。 つまり、茄子売り場が独立して存在する地域なのである。
なにせ、茄子の作付面積が広い割りには、出荷金額が小さい。自家消費が多い証拠と言われている。地場品種も不足気味で、隣接県で作っているという話が流れてくる位だ。 どこまで本当かはわからないが、ともかく、美味しいご飯に茄子の漬物の食事パターンは絶対に崩せない地域のようだ。 東京で、新潟の漬物(2)がなかなかメジャー化しないのも、茄子の思い入れが少ない県外では、今一歩拡販熱が入らないのではないか。などと言うと、怒られそうそうだが。 比較的知られている新潟特産は黒十全茄子だ。他県にも類似品種があるのか、全国をざっと眺めてみると、実に面白い。 南の暖かい地域は長茄子が多い。よく成長するのだから当然だろう。この辺りの品種が一番先に伝わったのだろうか。 これが京に持ち込まれると、丸くなる。 さらに、日本海伝いに北に伝播。寒くなるから、次第に小振りになっていく。もともと熱帯性植物だが、日本の場合は、北でも、短くても暑い夏があるから、一気に成長させる栽培方法で対応した訳だ。 一方、江戸辺りに持ち込まれると、どういう訳か卵型になっていく。当時から、都会需要対応ということで、運搬し易さが重要だったのだろうか。 尚、東北地方にも長茄子がある。不思議だが、これは豊臣秀吉朝鮮出兵に加わった伊達藩が、北九州から長茄子を持ち込んだとの由緒があるらしい。 納得。 現在、種苗はF1全盛で、栽培の温度管理も簡単になり、地方性は無くなってしまったから、こんな話は全く通用しないが。 --- 参照 --- (1) 相馬博士の作物百科 ナス http://www.agri.pref.hokkaido.jp/nouseibu/soma/index/nasu.htm (2) http://food.nespace.info/get/hinmoku_name_list.cgi?mode=hin¶1=3¶2=19 (3) [品種例の参考図] http://alic.vegenet.jp/panfu/nas/nas.htm [品種例の参考] 「博多なす物語」 いろんな種類のなすの話 http://www.hakata-nasu.com/siryou/many/many-nas2.htm (俳句の出典) 「深沢賢治の世界」 平成16年5月19日 http://www.saturn.sannet.ne.jp/fukazawa-k/haiku-16.htm (茄子のイラスト) (C) 素材屋じゅん http://park18.wakwak.com/~osyare/index.html 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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