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2007.10.30 |
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蓮根の話…三橋敏雄 [2001年没 戒名は蒼天院眞觀敏雄居士] “先を見通す”という縁起ものだから、蓮根の穴は当然ながら奇数個だという人がいる。そこで、眺めて見ると、中心に1つ穴があり、その周囲に穴が9個だ。なんだ、偶数ではないか。 再度、別な蓮根を見ると、今度は、周囲の穴は8個。どうも7個もあるようだ。 通説は実にあてにならぬ。 種によって違うという説もありそうだが、そんな話が通用したのは、在来種全盛時代ではなかろうか。 在来種は関東系の天王と上総が有名で、他にも、加賀など色々な地物があった筈である。しかし、在来種は花は綺麗だが、細い根なので、コスト上不利。 一方、中国渡来種は、病気に強くて、掘り出し易く、太目。農家がどちらを選ぶかは自明である。これが、備中とか支那と呼ばれる品種らしい。(1) 明治以降に入ってきたものだという。蓮根栽培ビジネスは、かなりの規模になっているから、おそらく中国種のバリエーション展開が進んでいることだろう。 言うまでもなく、日本最大の蓮根産地は、霞ヶ浦流域。(2)東京では圧倒的にここの産。 ただ、大阪市場では徳島産が主流のようだ。 霞ヶ浦の蓮根田を見ると、一面に蓮葉が広がるから、壮大である。ついでに、絶滅危惧種のメダカでも育ててくれたらよいのに、とつい考えてしまう。 花の鑑賞用でないにしても、夏の朝はさぞかし壮観ではなかろうか。ただ、昼には花が萎み始めるから、日帰りで見物ができなくて残念至極。 鑑賞用の蓮は、どうも睡蓮と一緒にされているようなきらいもあるが、人気があるようで、品種がとんでもない数に達しているようだ。お寺の関係もあるのかも知れないが、蓮の花を愛でる人が多いのは間違いないようである。 それに、大賀一郎博士が咲かせた世界最古の花(3)も、未だに話題性があるようだし。 行田古代蓮(4)も人気を集めているようで、蓮には古代ロマンを感じさせる何かがあるのかも知れない。 しかし、古代の人達が鑑賞用に蓮を栽培していたとも思えないのだが。多分、実を食用にしていたということだろう。 そして、中国から地下茎食用種が入り、在来種として改良されたのではないか。従って、古代種と、在来種では由来が全く違う可能性が高いと睨んでいるのだが。 それに在来種にしても、花が美しいものが多い。ということは、江戸時代に流行した、鑑賞用の流れにも迎合したのではなかろうか。 その間、中国では、もっぱら食用としての改良に精力を注んだ。その結果、太い食用種が全盛になったということではないだろうか。 素人の浅知恵は間違っていることが多いから、なんともいえないが。 --- 参照 --- (1) 野菜情報「今月の野菜」“れんこん”2007年2月 http://alic.vegenet.jp/yasaijoho/yasai/0702/yasai1.html (2) http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/sogo/kennan/nogyo/special/renkonfair/resipe/P50.pdf (3) http://www.city.okayama.okayama.jp/hishokouhou/tokyo/yukari/ibuki/ooga/ooga.htm (4) http://www.ikiiki-zaidan.or.jp/kodaihasu/ (俳句の出典) 「三橋敏雄俳句いろはカルタ」(ナムーラミチヨ選) http://www.shoshi-maimai.com/spacefiles/karuta.html (蓮根のイラスト) (C) Hitoshi Nomura “NOM's FOODS iLLUSTRATED” http://homepage1.nifty.com/NOM/index.htm (ハスの花のイラスト) (C) お花のアイコン館 [美咲] お花のアイコン館 http://flower.girly.jp/hanasakuin/text/006hax 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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