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2008.3.11
 
 


岡鹿尾菜の話…


 ぽつねんと 浜辺に薫る オカヒジキ
  食べごろすぎて 花を咲かせる  リサ

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 スーパーの野菜の棚に、プラスチックケースのなかに入ったオカヒジキ(岡鹿尾菜)をよく見かけるようになった。
 鮮やかな色とシャキシャキ感を楽しむ野菜として定着しているようだ。確かに、おひたしには向くのだが、茹でると一気に嵩が減るから、見かけほど安価ではないのが問題ではある。
 それに、茹でても、かなり硬かったことがある。目立つ緑色なので、鮮度がわかりにくいのだ。野生の雰囲気を残しているようだから、産地による品質バラツキもありそうだ。

 ヒジキという名前が示すように、もともとは砂丘などの海岸に自生していた植物だ。今ではそんな土地も少なくなってきたから、自生地は消滅の危機にあると思われる。と言っても、結構、変てこな場所に、それこそ“ポツネン”と生えている手の植物である。
 家でも簡単に栽培できるらしいが、合わない土壌だといつのまにかいなくなるようだ。

 昔は、日本全国で食べられていたこともあったのかも知れないが、葉野菜にしては、葉の面積が余りに少ないのが欠陥である。いかにも生産効率が悪い。誰も目もくれなくなるのも当然だろう。その上、蓚酸を含むホウレン草的な味を感じるから、結構好き好きもあるだろうし。
 ところが、例外的に、雪深い山形県の内陸南部(置賜地方)だけは、春から夏の野菜として、ずっと栽培されてきたという。(1)

 どうして、山間部の、この辺りだけに、海辺の食用野菜の習慣が残っているのか不思議である。余程お気に入りにでもならなければ、他の野菜にとってかわられて当然だと思うのだが。
 せっかく山間部にもってきたのだから、その苦労を忘れるなということかも知れない。上杉鷹山が特産品化を進めた藩政改革の頃の心意気をこの野菜に投影しているような気がしないでもない。

 と言っても、実態は、家庭用に農家が少しづつ作っていた程度だったらしい。

 ところが、一念発起、商品化に邁進したのである。(2)よくぞここまで市場を広げたものである。
 その余勢をかってか、おかひじき食品でさらなる旋風を狙っているようだ。(3)

 --- 参照 ---
(1) おきたま伝統野菜 おかひじき http://www.pref.yamagata.jp/ou/sogoshicho/okitama/325043/dentoyasai/okahijiki.html
(2) 寺島農場 http://www.agri-family.com/
(3) “南陽市特産メニュー「おかひじき麺・麺」誕生” 置賜タイムス [2007.6.23] http://www.okitamatimes.co.jp/kiji/index.php?itemid=127
(冒頭の歌の出典) ザ掲示板 リサ [2006.9.21]   http://209.85.175.104/search?q=cache:GmHPWW3YsHMJ:gene-30.bbs.thebbs.jp/
  1149448177/158-+%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%92%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%80%80%E4%BF%B3%E5%8F%A5&hl=ja&ct=clnk&cd=15&gl=jp (おかひじきの写真) (C) 花と少年 http://cat.s21.xrea.com/index.html


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