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2008.5.7
 
 


紫蘇の話…



  シソ食べる メタボ芋虫 逞しき

 蘇生させる植物との、中国の説話から「紫蘇」と名づけられたと、多くのウエブで解説されている。
 と言うことは、紫色の“赤シソ”は正真正銘のシソだが、緑色の“青シソ”は本来はシソではないということだろうか。もとは紫ばかりだったが、色抜けしたアルビノ様の種が、広まったとは思えないが。
 この紫色の色素は、アントシアンだろうが、その主な役割は紫外線からの防御だ。それが、これほど濃い色なのだから、過酷な環境に生えていたということだろう。

 などと考えて、あらためてしげしげと穂を眺めると実に不思議な形をしている。軸というか、茎が角張っているのだ。普通は丸いものだが、こうなる理由は、常識的に判断すれば、構造強度を増す目的である。
 となれば、紫蘇は風が強いところに生える植物ということだろうか。

 紫外線が強くで、強風ばかりといえば、やはりヒマラヤだろう。今でも、“ヒマラヤの中腹まで登っていくと、農家の庭先などにシソがときどき見られる”(1)そうである。ただ、現実には、“シソの香りはシソの香りは照葉樹林文化の香り”ということらしい。

 言うまでもないが、照葉樹林帯とは、ヒマラヤの中腹から日本まで、実に5,000Kmに渡って続く森林のこと。
 餅と醗酵食品が一番の特徴だが、この“東亜半月弧”(2)での文化的共通性の気付きのきっかけはシソだそうである。

 と言う事は、アッサムではシソ紅茶を飲むのだろうか。フレーバーティーは好きだが、あったとしても、紫蘇は香気が強すぎて手を出す気にはならないが。

 う〜む。
 そうなると、紫蘇だけを好む芋虫君(3)も、はるばるアッサム辺りから渡って来たのだろうか。

 --- 参照 ---
(1) 中尾佐助: 「栽培植物と農耕の起源」 岩波新書 1966年
(2) 中尾佐助: 「続・照葉樹林文化」 中公新書 1976年
(3) 幼虫図鑑 ベニフキノメイガ http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/benifukinomeiga.html
(紫蘇の写真) [Wikipedia] W siso4091.jpg http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:W_siso4091.jpg


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