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2008.6.10
 
 


人参の話…


  一本でも ニンジン
  二株でも サトイモ
  三個でも シシトウ
  四粒でも ゴマシオ


 日本で人参を一番食べるのは那覇だときいたことがある。生で食べるとか、ジュースにする話も聞かないから、イリチー(乱切り豚肉炒め煮)とかシリシリー(1)(スライス千切り卵炒め)にして食べるのだろう。

 特別な料理がある訳でもないから、おそらく、沖縄の人がニンジン好きと言うよりは、本土にはニンジン嫌いの人がことのほか多いということではないか。
 欧州にしても、ニンジンは日常の食べ物のなっていそうだ。皆、沢山食べるのだろう。
 それにしても、わざわざ冷凍にすることもないと思うが。
  → 「ニンジンの海に抱かれて、ドイツ東部で冷凍加工始まる 」[写真付] (C) AFP [2007.10.17]

 日本では、人参に限らず、芹の系統を嫌う人が少なくない。芹自体にしても、灰汁の感じがするのか食べない人がいる。せいぜいのところ、好むのは、うっすらと香る程度の三つ葉位のもの。明日葉にしてから、天麩羅にして香りが消えないと人気がでないようである。
 香りそのものを愉しむ、西洋のセロリ、パセリや、東洋のコリアンダー(香菜/パクチー)など、もっての他という人もいる。これらが登場すると、喜びどころか一気に食欲を失う人もいるらしい。
 スパイスにしても、クミン、ディル、フェンネル(茴香)がさっぱり普及しないのは、同じ理由だろう。
 芹には、タブー感を感じさせる独特な臭いがあるようだ。

 そう言えば、小学校の家庭科で、ニンジン煮物を全く受け付けない同級生がいたので、驚いた覚えがある。今は、当時のニンジン臭など全く感じられないから、そんな人はいないと思うが、どんな状態なのだろう。
 全国民が食べられるのは結構な話かも知れぬが、色は濃くても、水っぽくて味が薄くなっているので、さっぱり嬉しくはないのだが。

 そんな不満に応えるべく登場したのか、よくわからないが、黄色のニンジンも見かける。味が特段違うというものでもない感じがする。
 明らかに味が違うのは、沖縄の「島にんじん」だ。(2)[地元では、黄色のダイコン(チデークニ)という名称]
 こちらも、黄色だが、漢方系の雰囲気を醸し出している。ただ、大根と呼ばれることでわかるが、人参臭さは薄い。芹臭がないため、残っているのかも。もっとも、登場するのは冬場だけ。しかもたいした量ではないそうだ。関西で正月用で登場してくる紅色の「金時にんじん」と似た状況なのだろう。

 独特の香りが強烈な人参もたまには食べたいのだが、周囲の状況を見る限り望み薄だ。
 そこで、人参の葉をじっくり茹でて胡麻和えで食べてみたが、残念ながら硬くて、今一歩の味。お蔭で、人参の強い香りを愉しむのは難しい時代に入ったことは実感できたのだが。

 --- 参照 ---
(1) ニンジンシリシリ ちゅら海[Yoshi Kohda] http://churaumi.que.ne.jp/cook04_ninjin.html
(2) おきなわ伝統的農産物データベース 島ニンジン
  http://traddb.pref.okinawa.jp/dentou/showNousanbutsuGuest.do?action=action_Show&nousanbutsuid=10shimaninjin
(ニンジンの写真) (C) EyesArt 画像素材集EyesPic http://eyes-art.com/pic/


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