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2008.10.28
 
 


Dillの話…


   鮭の色 引き立つ緑 色の草

     スモークサーモンには万能葱の微塵切りだと主張する日本酒党もいるが。


 ディル(Dill)と言っても余り馴染みがない名前だから、わからない人が多いかも知れない。ただ、スモークサーモンの上にケーパーと一緒に乗っている糸状の葉でフワフワしているハーブだと言えば、ああアレかということになる。
 スモークサーモンは輸入品の廉売だらけなので、結構、家庭の食卓にのぼることが多い筈だが、ディルは売っていないことが多いから、家庭では滅多に使われていないと思われる。

 しかし、名前を知っている人はこのハーブを思い浮かべるかといえば、違うようだ。ディルと言えば、種の形状をした、香辛料と考えているからだ。
 葉はスッキリ・サッパリといった食味だが、種の方には若干の刺激性があるそうだ。
 ご近所のインド人の料理店で、相当昔に聞いたところによれば、カレーの材料の一つだそうだ。と言っても、多種のものが入るから、特別な役割がある訳ではなさそうだが。小さい時から慣れ親しんでいるから、入れずに済ませないということだろう。
 そんな話をすると、用途はもっぱらカレーと誤解するかもしれないが、実は、キュウリのピクルス用として知られている香辛料なのである。自家製にこだわる人にはなくてはならないらしい。種をそのまま入れるのだとか。
 おそらく、欧州では、酢には欠かせない味なのだろう。Gherkinの瓶詰は時々食べるが、ディルの味がどう効いているのかは、小生の能力ではよくわからない。まあ、ピクルスはピンキリ状態だから、香辛料の使い方は重要との主張には納得するが。

 ともあれ、素人には、スモークサーモン用の印象が強いから、なんとなく北欧系の魚用ハーブといった感じだ。それなら、日本で、鰯や鯖の酢ジメにディルという盛り付けが流行ってもよさそうなものだ。
 少なくとも、供給に問題はなさそうだ。時に、イタリアンで前菜に使われたりしているからである。もちろん、美しく飾っているだけで、その味に感激するような代物ではないが。

 スモークサーモン+ディルでわかることは、このハーブの存在でさっぱり感が醸成されるという点。その観点で考えると、サワークリームを使う料理には最適だと思われる。従って、魚料理でなくとも、サワークリーム入りボルシチには合う筈だが、余り見かけない。これから普及するハーブということだろうか。

 --- 参照 ---
(スモークサーモンの写真) [Wikipedia] (C) ayako http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Salade_de_jambon_cru_et_saumon_fume.jpg


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