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2008.12.2
 
 


雁足の話…


 羊歯食べて ジュラ紀の世界を 想像し
 コゴミを見ると、ジュラシックパークのイメージとダブル。
 海外では、羊歯を食材にしている話を聞かないが、
 避けているのだろうか。


 コゴミは南の方ではクサソテツ(草蘇鉄)と呼ぶらしい。シダとソテツは全く違う植物なのに不思議な命名だと思ったら、成長すると葉の姿がそっくりになるからだそうである。と言うことは、胞子がつかない葉になるということか。
 尚、コゴミ(屈み)という名前は、形が“ここんでいる”からだそうである。(1)

 もともとは、食用よりもっぱら観賞用だったようで、秋にでてくる胞子葉を生け花にしたそうだ。大和本草でも、“立花ニ用ユル物也”(2)で食べることはしなかったようだ。この場合は「雁足」と呼ぶそうである。

 灰汁もなく、白和えに合うのに何故使わなかったのだろうか。ワラビやゼンマイのような癖が全く無いから、かえって食べる気にならなかったということでもあるまいし。採取するタイミングが難しかったのだろうか。
 今や、組織培養で大量増殖できるそうだし、ハウスなら土中にヒーターを入れれば年中栽培できる筈。どうりでよく見かける訳だ。

 逆に、現代の生け花で使われている「雁足」は正確には、異なる「犬雁足」が多いとか。
 こちはコゴミと違って山によく生えている大型羊歯。清澄山に行けばそこらじゅうに生えていそうだ。まあ、40年以上も前のうろ覚えだから、間違っているかもしれないが。
 花材用にわざわざ山から切ってくる時代でもないだろうから、残っているとよいが。シダ採取人口が増えているらしいから心配である。

 --- 参照 ---
(1) 「クサソテツ」 農業研究所かわらばん(11) [2002年]
   http://www.green.pref.tokushima.jp/nogyo/onlbook/kawaraban/new/Taro10-No.11.pdf
(2) 貝原益軒: 「大和本草巻之九 草之五 雑草類 雁足」中村学園, 8頁
   http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/yama/pdf/y09.pdf
(シダとコケの写真) (C) 2000ピクセル以上のフリー写真素材集  http://sozai-free.com/index.html


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