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2009.1.6
 
 


長老喜の話…


 節料理 訳もわからず ちょろぎ食い

   正月の御料理は、ほとんどが、縁起担ぎの名称がつく。
   そのなかで、長老喜だけはどうも合点がいかぬ。

 チョロギはお正月の黒豆の煮物に入っている縁起物。長生きを祈念するとされる。
 味があるような、ないようなもので、食感が多少は貴重というだけの食材。オリゴ糖系の芋や牛蒡と同じようなものだ。

 それにしても、何故、黒豆に入れなければならないのだろう。皆目検討がつかない。
 しいて言えば、黒に、紅の色が欲しいが、紅生姜では合わないということか。それまでする必要があるとも思えないが。
 無理に当てはめれば、米俵か、お蚕の形に似ているから、その繁盛を祈る意味と言えないこともないが。そうなると、長寿とは無縁になる。長生きを象徴する食物とするなら、ヒゲと言えないこともないが、それなら白色にすべきだし。わざわざ黒豆に入れる必要もなかろう。

 日本語とは思えないような名前も不可思議。朝鮮語のミミズ語源説もあるらしいが、そんな生物を縁起物にする気がしれない。朝露葱の転訛説に至っては、全く信用しがたい。 (1)
 漢字「甘露子(ganluzi)」が何らかの理由で変化したと考えるしかなかろう。

 ともあれ、京都の御節料理に入っているようだから、遊びではなく、由緒正しき食材だと思われる。まあ、比叡山で密教僧が栽培して広がったということか。長寿の意味があるとすれば、眉間白毫を象徴する作物だったかも。
 もっとも、それなら、「飛竜頭」に入っていてもよさそうだが。

 --- 参照 ---
(1) 跡見群芳譜 ちょろぎ
   http://www2.mmc.atomi.ac.jp/web01/Flower%20Information%20by%20Vps/Flower%20Albumn/ch4-vegitables/choroghi.htm


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