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2009.1.27 |
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春菊の話…この妙文を菊の葉に 置く滴りや露乃身の 不老不死の藥となつて七百歳を送りぬる(1) 春菊葉食の習慣が菊酒の伝統を消したのかも. 菊の花が咲くのは秋と決まっているような気がするが、春菊だけは違うようだ。 咲いているのを見たことはないが、買ってきた野菜に花芽が混じっていることがあり、白色の花弁の一部が見えていたりするからだ。もっとも、普通は黄色の花らしいが。 独特の香りが漂い、虫が嫌いそうな苦味も感じるから、本来は食用というより、薬用だった植物だと思う。冒頭の能でもわかるが、菊は長寿の象徴でもあり、薬効顕著と信じられていた筈である。と言っても、感冒薬とは思えないが。 春菊を食べると、風邪がとぶと考え始めたのは、現代の感覚のような気がする。 もともとは、虫がつかないようにと、他の植物の周りで栽培されただけの植物だった可能性もある。ただ、長寿の源との話が広がれば、食べる気になったに違いない。そのうち苦さに慣れてしまったということではないだろうか。 それに、いくらでも採れるから、これは良いとなり、栽培野菜として定番化してしまったと見ているのだが、どんなもんだろう。 そういえば、子供のころ登場した春菊は、茎の下の方についている葉が腐っていたりしたし、泥汚れがすごかったので、余り良いイメージがなかったが、最近のものは茎と葉の部分がはっきりわかれて綺麗だ。葉も大きくなってきた感じがする。 お蔭で使い易くなったが、味と香りが素直すぎて、独特の癖が薄まってしまった感じがする。 その上、一年中出回っているから、冬野菜という感じもなくなってしまった。 そんなことに、一抹のさみしさを感じるのは、ノスタルジーだろうか。 --- 参照 --- (1) 能楽「菊慈童」 [全文掲載(現代語訳付き)] 淡海能 http://csspcat8.ses.usp.ac.jp/users/nougakubu/tan7-zenbun.htm (マーガレット“木春菊”のイラスト) (C) Yuriko 風と樹と空とフリー素材 http://kaze-sora.com/ 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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