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2009.3.3+追記
 
 


蓬の話…


 蓬などのかをりあひたる、いみじうをかし。   枕草子 第39段(1)
  草餅は桃の節句に登場するが、もともとは5月の節句のようだ。

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 小生は東京で育ったので、子供の頃に蓬摘みをしたことはないが、農村地帯で育った人は、毎年の行事になっていたようだ。お祖母さんに連れられて出かけたたシーンが貴重な思い出として残っているらしい。
 まだまだ寒い季節なので、出るのは面倒だったらしいが、草餅は美味しかったので、嬉しいイベントだったとのこと。

 その手の話は結構よく耳にするから、どうも、全国どこでも蓬餅を食べる習慣がありそうだ。

 日本は、蓬(ヨモギ)莱(アカザ)の東海の島だったということかも。実際、長寿だったようだし。

 ただ、沖縄だけは、餅ではなく、炊き込み御飯に使うそうだ。残念ながら、食べたことがないが。
 鰹出汁と豚の茹で汁を用いるのだろうから、臭み消し効果を狙ったのかも。
 ・・・と考えるのは本土の人間の浅知恵で、“県外のヨモギとは違い苦味の柔らかな”野菜で食べやすいし、“独特のさわやかな香り”が好まれているだけのようだ。(2)
 「フーチバー」とは病を治す葉という意味かも知れないから、健康増進を願って、という意味あいもあろう。

【追記 2009.3.6】
 山口正士先生のご指摘によれば、草餅は、沖縄でも普通に作って食べているとのこと。ボロボロ・ジューシーという言葉も教えて頂いた。
 フーチバー[蓬]・ ジューシー[雑炊]は、汁気の多いヤファラ[柔らかい]・ジューシーが多いそうだ。(i)一方、沖縄料理店でよくでてくるラードが入った炊き込みご飯は、クファ[硬い]・ジューシー。
 オキハムから発売されている人参、筍、椎茸、豚肉入りの「フーチバーじゅーしぃの素」(ii)は炊き込みタイプ。(雑炊タイプのレトルトは商品リストにないが、汁物レトルトは便利だから、作っていそうだ。)
 尚、お米が液体のなかで分かれているので雑炊タイプをボロボロ・ ジューシー、塊のお米が崩れる炊き込みタイプをホロホロ・ジューシーと呼んだりもするという。面白い表現だ。

 --- 参照 ---
(1) http://homepage2.nifty.com/zaco/text/ko/makura3-1.txt
(2) 「フーチバー」 おきなわ伝統的農産物データベース
  http://traddb.pref.okinawa.jp/dentou/showNousanbutsuGuest.do?action=action_Show&nousanbutsuid=26huchiba
(ヨモギのイラスト) (C) i-caffe → http://i-caffe.lolipop.jp
(i) http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-41659-storytopic-121.html
  http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-42815-storytopic-121.html
(ii) オキハム 商品紹介  http://www.okiham.co.jp/html/goodslist08.htm


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