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2009.5.19
 
 


雛豆の話…

  豆カレー インドの香り 満喫す
    チャナ豆とチキンはインドカレーの定番。もちろんベジタリアンは肉抜きだが。
    鶏肉と雛豆を使うから邦訳は親子珈竰か。

 ずっとGarbanzoと呼んできたが、最近はヒヨコ豆で通るようになった。どうも、ファミリーレストランのテーブルに登場したことで浸透したようである。(1)

 インドの豆カレーの定番品だし、乾燥豆も売っているのだが、日本では食べる人が少なかったのは、缶詰が売られていなかったせいだろう。
 乾燥豆だと、水に浸して戻すのに1〜2日。さらに、じっくり半日煮ないと柔らかくならないといわれる。多少オーバー気味な数字だが、ともかく柔らかくするのが面倒な豆であることは間違いない。
 それに、乾燥豆といっても、古ければ美味しくない。収穫日など記載されていないから、食べてがっかりした人もいる筈。一度懲りた人は二度と使うまい。
 だいたい、乾燥豆の値段と缶詰の値段のバランスが悪すぎる。品質に五月蝿いからどうしてもこうなる。普通は、品質の苦情がでてくると、ここぞとばかり国産が登場してくるものだが、この豆の栽培は流石に無理なようだ。
 海外を眺めれば、缶詰価格は、乾燥豆換算でだいたい3倍というのが相場ではないか。先進国なら、それでも普通は缶詰を利用するもの。
 ところが、日本にはこんな話は通用しない。雛豆は高級食材並だったりする。インド人もビックリだろう。

 それにしても、日本で雛豆という名称を使うのは、英語名がChic Peasだから自然な感じがするが、何故かGarbanzoというスペイン語が結構使われている。それほどスペインの豆料理が有名でもないのに、不思議な感じがする。

 異国情緒濃厚な名前だから、イスラム勢力の名残りかと思ったが、アラビア語は、知る人ぞ知るディップ名のHummusで通じるようだ。エジプト・ギリシアの古代文明での定番食材だったから、イベリア半島では古くからGarbanzoだったということなのだろうか。イタリアでは全く別の名前のCeciだし。
 それなら、世界の2007年の生産量の64%(2)を占めるインドで使われているのかと言えば、そんなこともない。ご存知チャナ豆[Kabuli Chana]だ。それに、日本のインド料理店の豆とは違い、黒色ばかりだそうである。日本ではみかけないが。
 と言うことは、スペインがラテンアメリカにこの豆を広げ、日本が、メキシコから豆を輸入したため、現地の名前が入ってきたということか。

 --- 参照 ---
(1) 「ヒヨコマメ」 相馬博士の作物百科 http://www.agri.pref.hokkaido.jp/nouseibu/soma/index/hiyoko.htm
(2) FAOCAST [Chick peas: World=9313043, India=5970000]
  http://faostat.fao.org/site/567/DesktopDefault.aspx?PageID=567#ancor
(ひよこのイラスト) (C) つか “イラスト わんパグ”http://www.wanpug.com/


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