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2009.11.17
 
 


艶蕗の話…


  石垣に 艶蕗光る 冬の道

    黄色の花が可憐。


← photo by (C) 淀屋橋心理療法センター 季節の写真

 “伽羅”「蕗」とは、春先のまだ細くて軟らかい茎を収穫して、煮込んだものと思っていた。香木の「伽羅」色にちなむ命名だろうとと考えていたのである。

 従って、売り物の佃煮のような黒檀色ではなく、拙宅自家製のような、醤油量が少ない煮方で褐色になったものが、本来のキャラブキと見ていた。
 このやり方だと、長くは保存できないので、少量製造となる。それが、かえって取立ての味わいを生み出すから嬉しいものである。
 どうも、茹でて皮を剥く必要は無いらしいが、硬いと興醒めなので、こまめに筋を取る作業を行うことも、春の食という意識を高める。なかなか楽しいものである。

 ところが先日、本来は蕗ではなく「艶蕗」だと耳にした。どういう訳か、ツヤブキと言わず、ツワブキという。ウエブを見ると「石蕗」という漢字が多いのも面白い。
 散歩していると、石垣の辺りに光沢のある葉が目立つのですぐに存在がわかる。まさに名前の通り。年中緑の葉だから、蕗のように茎は軟らかくないのかと思ったがそうでもないようだ。
 旬は晩秋かな。そうなると、伽羅蕗は初冬に食べるものかも。

 どうも、蕗だと思っていたのは東京育ちだからかも。
 “津和野は「つわぶきの生い茂る野」”(1)と言うのは有名だし。西日本では普通に食べられていたということなのだろう。

 沖縄では“ミーニシ(新北風)が吹きはじめると、本島北部の山地帯・ヤンバルにこのチーパッパがかわいい花を付け”(2)るという。冬に入る兆しとして楽しむ食材なのだろうか。「チーパッパ」とは「雀の学校」(3)の作詞家の創造語かと思ったら、沖縄語だったのか。
 喜界島では、様々な料理にされているようだから、特別なものではなさそうである。亜熱帯気候なのでよく育つようで、あく抜きは必須のようだ。当然ながら、茎が硬い時もあるようだ。(4)

 ところで、検索すると、葉の佃煮が九州名産と書いてあるサイトだらけだが、本当かね。蕗の葉を使うのならわかるが、あの艶のある強くて厚い葉を食べるとなると、いくら若葉でも、徹底的な灰汁抜きの上、グダグダになるまで茹でること間違いないでは。それが美味しいものとは思えないが。
 特別な品種でもあるのだろうか。

 --- 参照 ---
(1) “「つわぶきの里」伝説” 津和野町観光協会
   http://www.tsuwano.ne.jp/kanko/modules/tinyd1/content/index.php?id=6
(2) 河合民子: 「沖縄の料理・食材の窓 レキオスのチーパッパ」
   http://www.haizara.net/~shimirin/tamiko/ryori/ryo029.html
(3) 「雀の学校」 Uta-Net
   http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=46451
(4) 「島の食材を使った料理(ツワブキ)」 喜界町
   http://www.town.kikai.lg.jp/kikai03/resipi2.asp
(石蕗の写真) (C) 淀屋橋心理療法センター 季節の写真
   http://flower.yodoyabashift.com/


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