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2000.6.27
 
 


半導体工場立ち上げの早さ…

 台湾の高成長企業TSMCとフィリップス・セミコンダクターの合弁企業SSMCのシステム・オン・シリコン半導体工場が驚く程短期間に建設できた、と2000年6月に発表された。

 工場の立地はシンガポールである。フルキャパシティは月産3万枚。

 このレベルの大型工場を目指しているにもかかわらず、建設開始後一年もたたないうちに、装置がセットされた。フィリップスのオランダ工場での経験では装置設置からウエハー生産開始までの所要期間は98日だったというから、この工場の立ち上げも早そうだ。この工場の画策時点は98年遅くだというから、今までの半導体産業界の常識を塗り替えるハイスピードな操業開始といえよう。

 このようなハイスピードで立ち上げた例を聞いたことがない。欧州メーカーと台湾メーカーの生産技術への傾注は相当なものだと考えるべきだ。両者の提携路線は思っている以上に成果をあげていると見てよかろう。

 このようなスピードで工場開設が可能になると、産業も変貌してこよう。急激な市場の成長に応えて、工場を立ち上げることはそう難しいことではなくなるからだ。今までのように、長期市場予測をもとに、設備投資計画をじっくりと練って、相当前から装置メーカーに事前発注するという手筈を整える必要もなくなるかもしれない。そのような体制を組める企業が優位に立てるのは言うまでもない。


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