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2000.10.4
 
 


インテルチップの革新…

 2000年9月に富士通がA5サイズのモバイルパソコン「LOOX」の発売を開始した。小さな筐体にもかかわらず、DVD搭載バージョンまで登場した。この製品シリーズが市場で歓迎されるか、多くの人が推移を見守っている。
 といっても、富士通が再度モバイルパソコン市場浸透作戦を始めた点に注目している訳ではない。省電力タイプCPU、CrusoeのTM5400が用いられているからだ。モバイル用は小さすぎる割に、使用時間が短すぎるということで、思った程普及していないが、新CPUの威力で状況が変わるのでは、と期待感が高まっている。

 インテル・インサイドでないパソコンを、業界リーダーが発売に踏み切った影響を注視している訳だ。

 クロック競争をしかけたAMDは、それなりの成果をあげた。一方、インテルのチップはトラブルに遭遇したり、勢いが止まったかのように映る。そこに、Crusoeが登場した。
 互換チップメーカーの力も侮れなくなったと見る人が増えるのは当然だろう。なかには、これで技術の流れが変わると言う人もいる。

 確かに、セグメントによっては、互換チップメーカーが戦える時代が来たともいえる。しかし、インテルの技術力が落ちて来たとは思えない。

 インテルは、2000年8月に、NetBurstマイクロ・アーキテクチャーを発表した。この技術を用いるチップ、Pentium 4を年末に投入予定だという。(http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/dp082200.htm)

 成功裏に公表仕様通りの製品開発が進めば、ALUのクロックが倍速になる。システム・バスも一挙に変わり、CPUとメモリ・コントローラー間が、3.2Gで結ばれる。
 AMDとインテルの競争により、クロック速度が1Gを超えたばかりだというのに、一挙に2Gを超えることになる。
 コストや技術的バックグラウンド情報を分析しないと、そのインパクトを計るのは難しいが、少なくとも改良のレベルを超えたものであることは間違いないといえよう。

 ストリーミング・ビデオを始め、広帯域インターネットの時代に対応するには、現行CPUでは力不足なのは、パワーユーザーが感じている。
 実効スピードが本当に倍になるとすれば、パワー不足が解決し、本格的なマルチメディアのキー・アプリケーションの検討が始まる。その中から、新しい産業が立ちあがってくる可能性が高い。

 インテルは、時代を切り開く技術リーダーといえるのではないか。


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