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2000.12.2
 
 


EDA製品の売上高を眺めると…

 エレクトロニクス産業の競争力を見る際には、どうしても真先に売上シェアを見てしまう。しかし、半導体や回路基板の応用範囲は広く、対象市場の需要変動も極めて大きい。売上額のアップ・ダウンは避けられない。このような数字を見ていると流れがよくわからない。

 マクロで競争力を判断したい場合は、設計作業での革新の動きに対応しているかを見るのが手っ取り早い。

 即ち、EDA(Electric Design Automation)のソフト製品をどの程度活用しているかで、エレクトロニクス産業の質を判断するのだ。
 開発に必要なツールを常に革新していかなければ、競争から脱落するから、EDAにお金が流れなくなったら産業没落の兆候である。一方、急激な膨張が見られたなら、チャンスを生かそうとしているか、一挙に次世代型の開発の仕組みをつくり競争力向上を狙っていると見ることができる。

 EDAコンソーシアムのMSSリポートがEDA産業動向の速報値を発表している。この数字の動きを見れば、大きな流れが見えてくる。(http://www.edac.org/---EDAに含まれるのは、CAE, PCB/MCM Layout, IC Layout, SIP)

 例えば、日本は、2000年第1四半期に降下した。このまま続けば、没落の兆候である。ところが、10月30日の発表データによると、日本での第2四半期売上高が急速に回復した。どうやら、日本もエンジンがかかったようだ。
 といっても、2000年第2四半期のシェアは、米国56%、日本と欧州がほぼ同じレベルの19%、その他は6%だ。米国優位は一目瞭然である。高シェアの地域とは、高度な設計ができる研究者・エンジニアが集中していることを意味するからだ。


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