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2001.4.19
 
 


液晶ディスプレーの低価格化…

 1991年にTFT液晶ディスプレイ事業を開始したサムスンの伸びは著しい。1998年からは3年連続で世界1のシェアで2000年にはついに2割を超えた。生産量は1998年約240万枚、1999年約420万枚、2000年約610万枚だという。(http://www.samsung.co.jp/PRODUCT/index.html)ここまでくれば、コストの大幅削減が可能な「ガラス基板の標準化」を業界に提言するのは当然といえよう。

 業界リーダーがこのような動きをしているのであるから、早晩、市場価格は急激に低下する。

 2001年に入り15インチパソコン用液晶ディスプレーの秋葉原実売価格は右のようになり、日本のディスプレー専業メーカーの製品価格が6万円を切った。一方、特徴が感じられない「ブランド」商品が「9万円」レベルのままだ。日本の大企業は、利益捻出の下限に近いため価格対応は苦しい。

 実は、サムスンの15インチのインターネット直販の「税・送料込」の価格が59,800円なのだ。機能も優れており、しかも3年保証だ。日本企業の美しい液晶テレビの特性数値より低い箇所もあるが、実用上で大きな差は感じられない。(視野角160°に対し垂直120°水平140°、輝度は450cd/uに対して200cd/u)

 すでに、17インチも、従来の15インチ並の119,000円という価格設定だ。24インチはまだ498,000円と高価だが、解像度は「秀逸」だ。同社の仕様表によれば、15インチが1,024×768画素、17インチが1,280×1,024画素、24インチが1,920×1,200画素である。ついに17インチで300万画素時代に突入したのだ。

 現行技術の範囲内の戦いでは、日本企業は競争優位性を失ったといえよう。


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