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2001.8.2
 
 


先端スーパーコンピュータ競争(1)…

 スーパーコンピュータ(今はHPCと呼ぶことが多い。)技術開発競争の焦点は、必ずしも処理速度とは言えないが、比較する情報としては便利である。

 特に、世界で最高の処理能力を持つコンピュータをまとめた表が発表されており、ランクを見ると、この分野の状況がよくわかる。2001年6月に発表されたリストのトップ20の特徴をみると、先端開発を担っている企業が明白になる。(http://www.top500.org/list/2001/06/)

 もちろん登場するのは、米国企業と日本企業だけである。そのなかでトップ10に顔を揃えるのはIBM、インテル、SGI、日立、NECである。20位まででは、Crayと富士通が加わる。インテルを除けば、昔からの競争相手といえよう。

 しかし、環境は相当違ってきた。トップに並ぶコンピュータは米国クリントン政権が戦略的に重要ということで注力しているASCIプロジェクトの成果である。特に、ASCIプロジェクトによって、375MHzで8192個のプロセッサを搭載し、トップコンピュータの地位を獲得したIBMのSP Power3モデルはこの分野での確固たる地盤を形成したといえる。このモデルはすでに基幹商品になりつつある。

 トップ20といえば、先端コンピュータの試作試験を除けば、研究開発機関や気象予測センターのような大型シュミレーションしかなかろうというのが、かつての常識だったが、すでに20位にSP Power3モデルの産業用途が登場している。768個のプロセッサが搭載されたIBMのSP Power3モデルが著名な証券会社で稼動しているのだ。

 同様な仕様のものは、化学のバイエル、通信のドイツテレコム、食品・タバコのフィリップモリス、自動車会社等、世界に冠たるメガ企業に設置されている。

 国策プログラムが先導した超高速処理コンピュータ技術を活用して、米国企業は商用化の道を驀進していると言える。


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