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2002.1.26
 
 


パーソナルケア商品の技術力…

 駅前店舗の陳列棚には、多種多様なパーソナルケア・メーキャップ商品(香粧品)が溢れている。店内は顧客でごった返し、レジは列をなしている。まさに、大繁盛だ。ところが、化粧品・トイレタリー産業全体の統計から判断すると、この業界は低調な筈だ。ということは、勝ち組みと負け組みがおり、前者が凄まじく伸びている、といえよう。

 実際、小売現場でも、鳴り物いりで騒がれた、ブーツ原宿店やセフォラ渋谷店の結果はおもわしくなかった。人が集まる場所で、豊富な品揃えをすれば繁盛する訳ではない。高級ブランドは売れ行き好調といわれるが、波に乗れないブランドもある。その一方、新興企業の新ブランドも浸透しつつある。要は、熾烈な生き残り競争が始まっているのだ。

 このような動きは、業界構造が大きく変わる前兆といえる。

 特に注目すべき動きは、パーソナル商品ジャンルの細分化だ。機能による細分化が一挙に進んでいる。このため、機能発揮の理屈を納得させ、実際の効果を実感させないと、実需に繋がらなくなってきた。本当に価値ある商品を消費者が自から見つける動きが、本格化しているのだ。
 この時、武器になるのが技術だ。素材の使い方と説得情報で訴求力が左右されるし、良さを実感させる工夫でリピート率が大きく変わる。技術力がある企業は、すぐに分かる特徴を出せるから、沢山の商品のなかでも、埋もれずに、目立つ。リードユーザーの支持を獲得すれば、遅かれ早かれ、必ず成長してくる。この武器を活かせば、小規模投資で自社ブランド創出さえ可能である。図のように、ケア商品だけでも、ジャンルは広いから、技術を絞り込めば一点突破できそうな領域はいくらでもある。

 しかも、海外超高級ブランドへのOEM事業を進めながら、自社ブランドをじっくり構築することもできる。的確な戦略を策定すれば、従来型下請事業とは異なる展開ができる。マーケティングコストを考えれば、ブランドビジネス企業に収益の大半を奪われている訳でないことに気付く。
 パーソナルケア領域では、技術を武器にして躍進するチャンスを活かそうと考る企業が増えている。画期的な技術ではないが、コスト勝負ではなく、「実感させる技術」で優位性を発揮する企業が目立つ。徹底的に技術を磨き、消費者への訴求競争を勝ち抜いていけば、将来、専門領域で世界ナンバーワン企業になる可能性さえある。


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