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2002.6.25
 
 


ベクタースパコンのインパクト…

 2002年6月、ハイパフォーマンスコンピュータ・ベスト500の最新版が発表になった。(http://www1.top500.org/)
 日本企業のベクター型が突然トップに踊り出た。
 米国がトップなのが当たり前と考えていた人は、衝撃を受けたようだ。Japanese 'Computenik' Earth Simulator shatters US supercomputer hegemony、と見る人さえいる。(http://www.hoise.com/primeur/02/articles/weekly/AE-PR-05-02-59.html)

 トップになったとはいえ、ベクター型は専用機に近いから、特定用途には向いているが、様々な用途に広く使えるソフト開発ができるかどうかで、有望性の見方が180度変わってくる。
 今のところ、ベクター型は500台中41台だ。多いと見るか、少ないかは別として、シェア変動の兆候は感じられない。しかし、1位のベクター型が5120個のプロセッサで35.860TFlopsを実現したのに対し、2位の「ASCI White」スカラー型は8192個のプロセッサがあるにもかかわらず5分の1の7.226TFlopsしかない。高度な対応用としては、圧倒的な力を持つことは明らかになった。

 日本企業製がトップとはいえ、ハイパフォーマンスコンピュータ全体としては、HP製コンピュータの健闘が目立つ。
 台数シェアのトップ2強はHPとIBMでほぼ互角だ。両者のシェアは66%にも達し、圧倒的な地位を占めている。かつてのスパコン時代の先頭集団IBM、SGI、クレイを合わせると46%だが、サーバ時代を切り拓いた新興派、HP、サンも42%といい勝負だ。(日本勢の日立、NEC、富士通は合計で9%)
 このことは、ハイパフォーマンスコンピュータが、もはや特殊な軍事・科学用コンピュータではなく、商用化時代に入っていると見るべきだ。このため、商用大型サーバを扱う企業が、ますます強くなるといえよう。応用技術が重要になるから、今のままなら強者がさらに強くなりそうである。


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