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2002.7.12
 
 


米国特許取得トップレベルの意味…

 2001年の米国特許取得番付を見ると、日本のエレクトロニクス企業の状況が見えてくる。(http://www.ificlaims.com/press_release012002.html)

 1000件以上取得した企業は14社あるが、そのうち日本企業は8社と相変わらず圧倒的。サムスンを合わせると米国企業は劣勢に映る。この数字だけ見ていると、80年代の状況とそう変わっていない気になる。しかし、よく見れば、大きな変化がある。

 日本企業は常連のNEC、キャノン、松下、ソニー、日立、三菱、富士通、東芝だ。キャノン、ソニーを除き、半導体不況に苦しんでいる。一方、米国企業は数は少ないが、相当な力を発揮している。

 例えば、5位のマイクロンは狭い事業領域にもかかわらず1643件だ。しかも、前年の7位から上昇している。14位のAMDも1090件だ。
 さらに事業領域が狭いのが、台湾のシリコン・ファウンドリーだ。特化しているにもかかわらず、24位と29位にランクされた。UMCは596件、TSMCは532件である。この数字はシャープ(562件)やエプソン(503件)と同レベルだ。
 トップに並ぶ日本企業は事業範囲が広く、しかも他社と重なる領域が多い。領域毎に比較すれば、必ずしもトップレベルとは言えまい。領域を絞り込めない企業は特許取得数が多くても競争力が発揮できないのだ。

 米国企業の力を見せつけたのが、1位のIBMだ。なんと、対前年度比18%増の3453件。(2位が2000件に達しないから、まさにダントツ)しかも、ソフトとストレージ、ネットワークに集中している。絞り込んだ上での、数字である。

 長らく技術力を誇っていた日本企業だが、エレクトロニクス領域で見れば、相当前から地位は揺らいでいた、と言えそうである。


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