↑ トップ頁へ

2002.7.18
 
 


次世代メモリーの動きが急だ(2)…

 モトローラは「ユニバーサルメモリー」を狙いMRAMで果敢な挑戦を挑んでいる。この研究はDARPA(軍研)のプログラムであるが、NRAM研究の先鞭はIBMである。磁気トンネル接合の時代(1974年)だ。初期もやはり軍研だった。
 このように、MRAM研究では、国の支援が大きな役割を果たしている。

 一方、日本では、経済産業省が「メモリデバイス技術研究開発」として、平成14年度に新規予算として3億6,300万円を計上した程度だ。2006年に基本技術確立との目標だが、この程度では、100名体制と予想される競合を追い越せるとは考えにくい。(http://www.nedo.go.jp/14fyshinkichosa/pj12_sched.pdf)
 おそらく、メモリ全体を大きく変えるインパクトを与える研究開発とは見なしていないのだろう。

 こうした状況を見ると、日本は後追いの印象を受けるが、そうとも言えない。MRAMが本格的に注目されるようになったのは1995年頃である。東北大の宮崎先生が膜利用を示したため、動きが始まった。そして、IBMが試作したと言われているのが1998年だ。2000年のISSCでIBMが発表したから、一気に火がついた。IBMはインフィニオンと組んで早期商用化に走り始め、開発競争はさらに激化した。
 日本では、東芝、NEC、三菱、さらにヒューレット・パッカードやサムスンも注力していると言われている。

 日本企業は、DRAMやフラッシュの後継事業として、MRAM事業に挑戦できる良好な位置にいた。
 しかし、今やIBMとモトローラの積極果敢な動きに隠れ目立たない。


 技術力検証の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2004 RandDManagement.com