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2002.7.25
 
 


家庭用エンタテインメントサーバ時代に突入…

 パソコンが家庭内エンタテインメントの核になるという話は昔からあるが、テレビ録画パソコンが普及している程度で、統合の動きは弱い。テレビ、オーディオ、パソコン、ゲームは互いに関係はしているが、今もって独立している。

 しかし、統合機能を発揮できるソフトを搭載したリナックスパソコンを、家電サーバとしてすぐに商品化できる時代が来た。ハードディスク・ビデオ記録技術がこなれてきた上、無線LANが安価になったから、作るだけなら簡単だ。市場展開によっては一大市場を作れる可能性がある。インターネットは十分普及したし、録画機能付きのパソコンも増えているから、潜在市場は極めて大きい。

 家電サーバの浸透が難しいのは、琴線に触れる機能が曖昧な点にある。一部で注目を浴びた、2000年中頃から東京で行われた「次世代家庭用端末機を用いた地域・家庭情報化支援システム」実証試験でも、結局のところ、普及の鍵はよくわかっていない。(http://www.jcc.co.jp/ssc/)
 といっても、この結果を踏まえた製品が一部量販店で「iBOX」ブランドで販売されている。この商品は「40万台」との発表もあるから、パソコンらしくない製品が浸透し始めたのかもしれない。(http://www.jcc.co.jp/iboxserver/server-kaisetu.html)
 2002年5月には、大手メーカーもパソコンらしくない製品「TransCube 10」を上市した。無線LANとTVチューナ、ハードディスク録画、インターネット接続をワンパック化したものである。 (http://www3.toshiba.co.jp/pc/catalog/whms/020520t1/index_j.htm)
 これらの機器は、リモコン付属の一般家庭用製品ではあるが、パソコンを利用している人でなければ、仕様を理解できそうにない。一方、パソコンを使える人なら、家電製品をわざわざ購入する理由もないから、訴求が難しい商品といえよう。
 AV製品側からは、「ITパーソナルテレビ」とのコンセプトで、インターネットを取り入れ、ハードディスク録画可能なパソコンとも接続可能な製品展開も始まっている。無線テレビの「エアボード」だ。(http://www.sony.jp/products/Consumer/airboard/index_a.html)

 このような動きのなかで、2002年中に、ヒューレット・パッカードとサムスンから赤外リモコン、TVチューナー付きの「Windows XP Media Center」搭載パソコンが販売される。2003年には、NECからも販売予定だ。この新しいソフトは、リモコンを使うことで、パソコンが部屋のどこにあっても画面からコントロールできるようになる。パソコンの存在を感じさせないシステムが実現できることになる。用いるWindows XPは、プロフェッショナルバージョンだから、家庭用サーバ販売の開始だ。 (http://www.winsupersite.com/showcase/freestyle_preview.asp)

 このような流れを見ると、離れた場所にある様々な機器を簡単な操作でコントロールし、リビングルームで視聴できる機能の実現が最重要と言えそうだ。すでに、ほとんどの技術は揃っているから、それらをどのように組み合わせるとベストかのマネジメントと、そのコンセプトに合ったパソコンソフトの開発が鍵を握りそうだ。現時点では、まだ誰でも勝てるチャンスはあるが、2003年には、家庭での勝者が見えてくると思われる。


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