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2002.11.17
 
 


オーディオ技術応用が低調な理由…

 日本にはオーディオ技術者が多い。新製品や新事業が次々と登場してもよさそうなものだが、デジタルアンプ以外、新しい動きは目立たない。デジタル系技術者が少ないとはいえ、音声関連のビジネスチャンスに挑戦する気はないのだろうか。

 典型が通話記録装置市場である。

 国内市場は伸びている。様々な業種で電話取引が増え、トラブルを避けるための通話録音が普及し始めたからだ。コールセンターではすでに導入率は44.2%に達している。(月刊コンピューターテレフォニー2002年1月号特集 http://www.ric.co.jp/ct-japan/200201.html)
 といっても、家電のテープレコーダーでは対応できない。1年中、間違いなく稼動する高信頼性が要求されるし、必要部分を即再生できる機能も必要となるからだ。しかし、基本仕様は、ログ記録付きのデジタル音声録音だから、難しい装置ではない。日本企業には、要素技術は十分揃っている。
 日本企業がすぐに挑戦してもよさそうに見える。

 ところが、この仕組み(ボイスロギングシステム)の代表的サプライヤーは海外企業ばかりだ。
  ・ NICE Systems(イスラエル[NASDAQ]) (http://www.nice.com/about/index.html)
  ・ etalk(米) (http://www.e-talkcorp.com/aboutus/index.cfm)
  ・ Verint Systems(米[旧名Comverse Infosys]) (http://www.verintsystems.com/)  等

 こうした企業の事業内容を見ると、日本企業が力を発揮できない理由がすぐにわかる。

 電話取引がコンピュータシステムと連動しおり、システム統合ができない装置は敬遠される。従って、コンピュータシステムの知識が不可欠となる。ところが、このシステム(CRM/コールセンター)はほとんどが海外製だ。国内で自力開発にこだわれば、情報不足に陥り、アーキテクチャーの案出ができない。
 要するに、飛躍したければ、「コンピュータシステム」先進国の動きに合わせればよいのである。逆に、この姿勢を欠けば、貴重な要素技術を持っていても、その力を発揮することはできない。


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