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2002.12.8 |
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インターネット冷蔵庫の時代…2002年10月に、LG Electronicsが、米国で「Multi-Media Refrigerator」を希望小売価格7,999ドルで上市した。仕様としては、TV/オーディオ、メール/ウエブ・サーフィン、メッセージボード/カレンダー、レシピ/食品在庫、機器管理といった機能が掲げられている。(http://www.lgappliances.com/cgi-bin/pr.cgi?idPressRelease=17)インターネット冷蔵庫の初上市ということで、世界中から注目されている。ところが、日本では、冷ややかに見る人が多い。これでは、海外から見れば、韓国企業は挑戦的で、日本企業は挑戦を避ける体質と言われてもしかたがあるまい。 しかし、もともとは日本は先進的だった。1997年に、岡山県高度情報モデル実験(ケーブルTVインターネットの利用法開発)で冷蔵庫活用法開発が行われた。(日経エレクトロニクス1997年10月6日号) ウインドウズ95パソコンと冷蔵庫本体はシャープ、ネットワークが日本高速通信、サーバが日本シリコングラフィックス・クレイ(当時)、組み込み担当がブイシンクテクノロジーである。翌年の、WORLD PC EXPO 98で「インターネット冷蔵庫」として展示され有名になった。 冷蔵庫で何をするつもりだ、と批判的な人も多かったが、利用方法を考えるための限定的な先端実験である。騒いだのはマスコミと研究開発の大型予算獲得を画策する人達だけである。 パソコン以外で、インターネットに365日24時間接続可能で、画面スペースがとれるな端末は、冷蔵庫しかあるまい。しかも、扉に、スケジュール表、ゴミ処理日表示板、チラシ等を張り出している家庭も多いから、検討対象にするのは自然の流れといえよう。 その後、これをきっかけに、液晶パネルを搭載した冷蔵庫の展示が増える。 なかには、コンセプト無しでハード開発した企業もあった。岡山県での実験とは違うから、このような研究開発を揶揄するのは当然だ。 一方、トータルなビジョンを提起した企業は意外に少なかった。売れそうなコンセプト作りは結構難しかったのである。 明確なコンセプトを示したのが、Electroluxの「Screenfridge」である。1999年にはプロトタイプが発表された。イー・ツー・ホームが開発したソフトを搭載し、冷蔵庫内食料品のバーコード管理機能を持つ。[食品パッケージに非接触ICタグを添付すれば、自動的データ読取可能] (http://www.electrolux.se/screenfridge/) 2000年には、WhirlpoolもSUNと組んでCESでプロトタイプを発表している。家電製品ネットワークの流れが始まったら、ネットワーク企業は遅れる訳にいかない。当然の対応といえよう。 (http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/2000-01/sunflash.20000106.5.html;$sessionid$R5FJBQQAAENN5AMTA00E5YUBSMDLIUDO) LG ElectronicsもWORLD PC EXPO 2000で「Internet Digital DIOS Refrigerator 」を展示した。 (http://www.lgusa.com/aug2000/feature_1.asp) 日本企業では、2001年に、松下電器産業が庫内温度を指定できるタイプを発表している。 今のところ、どのコンセプトを見ても、食品在庫の簡単な管理方法とレシピに応じた調理システムができない限り、魅力を欠くのは明らかだ。 しかし、この程度の機能なら、現行技術を複合するだけで、十分対応できる。電子オーブンレンジ/電子鍋や電子秤と連動できる仕組みをつくるだけで、新調理システム構築は可能である。食品業界と組んで、材料情報をタグに組み込めば、なんら難しいことはない。しかも、タグや機器間の無線通信技術もほぼ完成している。 コストが低下し、業界横断的な動きがとれれば、一気に進めることができる。「夢」の実現はすぐそこまで来ている。 従って、現行製品の魅力を議論しても意味は薄い。「インターネット冷蔵庫」上市で先鞭をつけ、食品業界を中心として、関連業界のイノベーターを囲い込み、研究開発を始められるかが勝負なのである。 「インターネット冷蔵庫」上市で、技術をどのようにビジネスに結びつけるか、構想力の熾烈な競争が始まったといえよう。 技術力検証の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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