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2003.4.11
 
 



液晶ディスプレー産業の変化…

 2003年4月、EDEX 2003でサムスンが54インチのTFT液晶ディスプレーを展示した。2001年8月に40インチ、2002年10月に46インチ、2002年末には54インチと凄まじいスピードでの大型化である。(http://www.samsung.co.jp/news/group/ng030409.html)

 といっても、これはデモンストレーションの世界であり、現実のサムスンの事業は15、17、20、22インチと、順次大型化を進めている状態だ。そして、プラズマディスプレーで開け始めた大型画面用市場に、インチ1万円程度の価格で26、32インチを積極投入することになるのだろう。
 先端品開発力、広い製品ラインアップ、コストパフォーマンスを見せつけられれば、この分野の覇者がサムソンであることは、一目瞭然である。
 ついに、サムスンのブランドイメージは定着したといえよう。

 一方、安価な汎用品では、台湾メーカーが必死に浸透を図っている。この分野でも、日本企業の存在感は薄い。

 こうした競争にさらされている、日本企業は、ずっと「高付加価値製品で勝負」と語ってきた。
 EDEX 2003で見る限り、その実態は、SOG(System on Grass)技術利用のようだ。

 この技術は大型ディスプレーに、すぐに活用できるものではない。大型製品では、SOGを登用しても、総合的な大幅コストダウンに繋がるとは限らないし、軽薄メリットも小さい。
 ということは、「高付加価値製品で勝負」ではあるものの、実際は、「軽薄短小製品で勝負」と言うことだ。

 しかし、EDEX 2003で、SOG活用の軽薄短小の革新的製品イメージが登場したとは言い難い。このままなら、この産業は大きく変わることになろう。
 大型ディスプレーは、それ自体が製品として成立する。一方、小型ディスプレーはPDA/ミニノート/ケータイ等の部品でしかない。
 このことは、末端製品市場で力が発揮できない企業は、「デイスプレー製品」事業を止め、「デイスプレーパネル部品」事業に徹するしかない。・・・液晶搭載末端製品の研究開発中止の決断を迫られているのだ。


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