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2003.4.26
 
 


身近になるグリッドコンピューティング…

 2003年4月、LookSmartが、ホームページの新検索技術を使った仕組み「Grub」を立ち上げた。(http://www.grub.org/html/news.php?op=show&id=101020&PHPSESSID=803231be79dbeaaa6604d14dd3c5621c)

 技術の詳細は開示されていないが、ホームページ・デイレクトリー「Zeal」が行ってきたボランティアが支える仕組みを、グリッド型分散処理で能力を向上させたものらしい。(http://www.zeal.com/)

 スクリーンセーバーをダウンロードすると、パソコンの余剰処理能力でホームページを巡回してインデックス作成作業を行う。この情報がサーバに集められる訳だ。
 ボランティア参加者の力で膨大な処理を行うのである。

 最大能力と言われている検索エンジンの「Google」でも、インデックス化できるのはホームページ全体の半分に届かないと言われているが、上手くいけば、「Grub」は網羅も可能かもしれない。しかも、日々インデックスを更新する。理論上で見れば、驚くべき能力といえよう。

 といっても、検索ニーズと、こうした能力がマッチするとは限らないから、「Grub」が一気に広まることは無いと思われるが、パートナーが増えれば主流化する可能性は高い。

 検索エンジンの流れは、まさに、コンピューティング技術の変遷そのものといえそうだ。

 かつて「AltaVista」が最強と呼ばれた時は、数台の高速コンピュータを用いていた。
 これに対して、パソコン・クラスターを用いて、一気に凌駕したのが「Google」である。
 そして、ついに、膨大な数のボランティア・パソコンによる分散型処理、グリッド・コンピューティング「Grub」が登場したのである。

 グリッド・コンピューティング自体は珍しいものではないが、「Grub」は、参加するボランティアも直接メリットを得られる仕組みである。このような技術応用こそが、グリッド・コンピューティングの本来の姿であろう。


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