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2003.5.29
 
 


米国でのケータイビジネスの進展…

 ケータイがついにVPN(Virtual Private Network)と本格的に結びつき始めた。Nextelの2003年5月21日のリリースによると、IBMのソフトウエアを活用すれば、セキュリティを要求されるデータ通信を問題なくこなせるという。 (http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=NXTL&script=410&layout=-6&item_id=415242)

 Nextelは、ハワイを含めた米国全域カバーサービスに向かって、着々と計画を進めている。Motorolaの「iDEN」構想に合わせたサービスを実現しようとする動きである。(http://idenphones.motorola.com/iden/what_is_iden.jsp)

 この動きこそが、正統派としての、次世代ケータイ市場開拓といえよう。日本はケータイ技術で先を走ると喧伝されているが、正統的な応用が広がりつつあるとは思えない。
 次世代ケータイで重要なのは、精緻な端末機器開発力や、インターネット利用の簡便さとは違う。技術力を見るなら、全体のシステム構成の設計力を対象にすべきだ。各モジュールが全体のなかで、どのような意味を持つのかが明確化されなければ、歪んだ技術開発に走りかねない。構想に合わせた全体構成が極めて重要なのである。
 この視点で見れば、「iDEN」構想は優れている。ニーズに応えて作成されているから、どのような構成が妥当かわかるからだ。すでに、「J2ME」技術が搭載され、ソフトがダウンロードできる環境下になっており、ビジネスアプリケーションの活用が始まっている。

 この流れが強まれば、米国のビジネスマンは、おそらく、PDAをやめ、ケータイを日常業務のツールにする。そうなると、企業ユーザーを中心に、モバイル利用が米国で一気に広がることになろう。

 一方、日本では、ケータイの主用途は相変わらず個人間のメールと電話のやり取りである。これに、インターネットを介した、娯楽と便利情報源としての機能が付加されているに過ぎない。個別の要素技術をみれば優位な点は多いが、これでは、米国のような技術開発には進みようがあるまい。

 このままなら、モバイルの先進国日本は、利用方法の点で、早晩、米国に追い越されることになろう。


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