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2004.4.10 |
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超伝導フィルタを使いたくない国…Superconductor Technologies によれば、ケータイ産業の過去は、「If you build it, they will come.」だった。そして、現在は、「Improve it, or they will leave.」だという。(1) その通りだと思う。 この企業は、ケータイ業界では有名なテクノロジー企業である。超伝導フィルターの商用化に成功した唯一の企業だからだ。米国基地局にはすでに数千台が採用されている。 これからのグローバル市場を考えれば、基地局数はおそらく100万に達する。本格的に、この装置が普及すれば相当な市場が期待できることになる。 注目されるのは、極く自然な流れと言えよう。 実際、技術的に見て、超伝導フィルターは極めて優れたものといえる。 理想的と言ってもよいだろう。(2) 超伝導体を使うので、非超伝導体と比較すればて桁違いの性能向上が期待できるから、当然である。 しかし、理論と現実にギャップがあるのは世の常である。 超伝導を実現するには、冷却の仕組みを組み込む必要があるし、それに合った素子デザインや実装設計上で課題は山積する。商用化実現はそう簡単なのもではない。 このため、いまもってSuperconductor Technologies が独占的地位を確保している。 とはいえ、同レベルの技術は保有しており、その気になればフィルターなど何時でも作れる、と豪語する日本企業もあるそうだ。確かに、要素技術では成り立つ話しだろう。 しかし、システム化力で見れば、おそらく競争になるまい。 但し、このように日本企業が語るのは、単なる強がりではなく、事情があるのだ。 実は、日本には、この装置が入らないのである。国内市場が無いから、日本企業は動けないのである。 超伝導フィーバーにもかかわらず、日本の実態とはこんなものである。 産業支援の掛け声と、カネだけは降ってくるが、新市場を作ろうとはしないのだ。 不思議に思う人もいるかもしれないが、日本が、超伝導フィルターを採用しようとしない理由は単純だ。 非超伝導体での技術を徹底的に深耕しつくしており、わざわざ超伝導体に移行したくないにすぎない。保守的なだけである。 もともと、日本の基地局は、非超伝導体を用いたコンパクトな装置向けの構造で設計されている。どう見ても、冷却システムを使うのに不向きなのだ。 超伝導体利用など、最初から考えていなかったのである。 この技術マネジメントは、ISDN交換機の導入を彷彿させる。 発足時点では、世界の最先端で素晴らしい設備だった。オーバースペックとも思えるような、緻密なものである。 ところが、技術進展スピードが予想以上で、ISDNはお荷物になってしまった。にもかかわらず、高額な設備投資をすぐに切ることはせず、多額なメインテナンス費用を投入し続けたのである。 苦労してここまでこぎつけた参画者のことを考えると、容易に変更ができないのである。 --- 参照 --- (1) http://www.suptech.com/ タイトル (2) http://www.suptech.com/pdf/PCS%20White%20Paper%20rev6%5B1%5D.pdf 技術力検証の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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