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2005.2.1 |
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パソコン購入で感じたこと…この月末、Pentium4搭載の安価なデスクトップパソコンが欲しくなったので、Dellの直販サイトを覗いた。正直な第一印象を言えば、「高い!」である。 エントリーモデルとされる「Dimension 3000」の推奨セット価格が113,400円だ。(1) ブロードバンドサービス料金では日本は世界1安いと言われているのに、安いデスクトップパソコンは揃えてくれないのである。 月額5,000円強で100メガのインターネット接続サービスに加入している人間にとっては、113,400円は極めて高額に映る。 メモリは512MBが欲しいが、ディスプレーはありさえあればよいのだが、安価な選択肢は余り用意されていない。価格を下げるために仕様を変更してみた。 ・CPU Pentium4 2.80GHz (最低) ・ハードディスク 160G (最小80Gの無料アップグレード) ・ドライブ DVD/CD-RWコンボ (これが最安値 CDのみは無い) ・17インチ液晶ディスプレー (15インチは無い) ところが、これでも、配送料・消費税別で106,000円である。 (メモリを最低の256MBにしても10万円。) しかたがないので、Pentium4ではない、バリューモデルを見たが、こちらは19インチ液晶ディスプレーでテレビ視聴用になっている。これでは安くならないし、検討の対象外だ。 お陰で買う気が失せてしまった。 ついでに、米国の「Dimension 3000」製品群を見てみた。15インチ液晶ディスプレーとプリンター付きだがパソコン本体は類似仕様だ。と言っても、CPUが533FSB、メモリは無料アップグレードで512MB、ハードディスクが無料アップグレードで80G、CDドライブだけなので、一寸違うのだが。但し、価格は749ドルに過ぎない。(1) CDドライブ付きの最安値は499ドルだ。こちらは、17インチCRTディスプレー付きの値段である。 Pentium4は高額なCPUだが、それでも、米国ではこの程度の価格で入手できる。 低額商品を買おうとしない日本のユーザーに対応しているのだろうが、余りの値段の違いに唖然となった。 調べてはいないが、日本の大手メーカー製品は、おそらく、2.80GHzのPentium4やDVD/CD-RWコンボももう使っていないと思う。 常に、最新の高機能モデルだけを揃えるからだ。従って、安いものでも15万円程度はするだろう。 ・・・日本企業は、このような商売をこの先も続けることができるだろうか。心配になっ た。 これは、自動車産業とは全く逆の道だからである。 日本の自動車メーカーは米国市場で高収益をあげているが、日本市場では低収益に甘んじている。流通にも無駄が多く、要求が高度だから、国内ではさっぱり儲からないのである。米国市場で戦うための力を磨くために国内市場で戦っていると言ってよいと思う。 ところが、米国市場で戦える力がないのに、日本市場なら収益をあげることができるメーカーが存在するのが日本のデスクトップパソコン産業である。日本用特殊仕様を供給している訳ではないのだから、この状態はどう見ても尋常ではない。 もっとも、これはデスクトップパソコンに限らない。 このままなら、薄型テレビも同じ状況になるかもしれない。 米国の小売店を見れば、今や、最高の陳列場所に並ぶのは韓国製品である。 すでに米国ブランドの家電製品はOEMや海外メーカー系列製品と化している。そのなかで、韓国ブランドがトップ製品として扱われているのだから、薄型テレビでは日本ブランドにたいした価値はなくなったということになる。次第に価格プレミアムがとれなる可能性が高い。 今や、日本ブランドが通用するのはカメラ系製品だけのようだ。 ちなみに、薄型テレビの米国価格を見ると、デスクトップパソコンと同じような状況だ。 26インチ液晶テレビは1,400ドル、30インチが1,900ドルだ。プラズマは42インチが2,300ドル、ハイビジョン版でも3,000ドルといったところである。この先、価格はまだまだ下がるだろう。 日本国内市場ではほとんど見られない低価格である。 日本企業は、デスクトップパソコン同様、国内の高価格体制で利益を絞り出す戦略を採用しているのである。米国市場では勝てなくても、日本市場で収益をあげればよいと考えているのかもしれない。 白物家電のように、米国市場で戦える力がなくても、国内市場でなんとか生きていこう、という方針だろうか。 そうした戦略が成り立てばよいのだが。 --- 参照 --- (1) http://jpstore.dell.com/store/newstore/dhs/dhs_catalog_264.asp (2) http://www1.us.dell.com/content/products/features.aspx/featured_desktop1?c=us&cs=19&l=en&s=dhs 技術力検証の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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