→表紙 | 2013.7.16 |
| 「イマジネーションベース日本通史」の例…イマジネーションで日本通史を考えて見たら歴史から学べるようになるのでは、と軽く書いてしまった。 →[20130711]それじゃ、例えば、どういうことかとか、「中世」とかの大くくりにしてみろということ、という疑問が投げかけられると、こちらも素人なので窮することになる。しかし、専門家ではないから、浅薄な知識で間違い承知で、いい加減な例を作ろうというのならすぐにもできる。冗談半分で書いてみようか。 その前に、「大括り」をしておいた方がよい。暗記させられたモノがどのようなものか、自分の頭で整理することになるから、これはウオーミングアップとしてやっておいた方がよかろう。 ●先史の土器時代 先土器→縄文→弥生→須恵器(古墳) ●王侯時代 飛鳥→奈良→平安 ●武家時代 鎌倉→南北朝→室町→安土桃山→江戸 ●絶対君主時代 明治→大正→昭和(世界大戦迄) ●国民国家時代 占領軍統治→昭和(戦後)→平成 これが習った通史。と言っても、最初と最後は手抜きで、おそらく議論を避けるために、ほとんど教えてもらえないから、通史とは名ばかりだが。 でも、何を頭に叩き込まれたかは一目瞭然。世の中には階層があり、おおまかには、王権保有層、貴族層、武士層、一般層と分けることができて、権力が移行してきたと覚えろということ。まあ、それも結構だが、そんなことを暗記させるのはどんなものかネ。重要なのは、どうしてそのような層分化が発生したのかと、権力が何故に移行することになったのか、の2点。ご自分でそれが説明できないのなら、それは暗記させられるのが嬉しい体質であるということの証左と言えよう。 さあ、それでは、冗談半分でイマジネーションで日本史を区分してみようか。 小生は、日本の体質は外部の新しい動きには頗る敏感で、自分達の社会が大きな影響を被りそうな予感がしたらたちどころに皆が動き始めるところに一大特徴があると見る。見方によっては、外圧で動く受動型に受け取られがちだが、もともと外を観察しながら様子見していた訳で、わかっていても共同体内が一様ではないのでしかるべき時期にならないと動かないということだとおもわれる。 まあ、要するに、日本の共同体意識にインパクトを与えるような新しい思想が到来した時が、時代の境ということ。ただ、一つの時代がのっぺりと続く訳ではなく、3段階に分かれていると考えるとわかり易いのではないか。 (1) 急遽対応期 導入し混乱が生じるが意に介せず走る。 (2) 選択的疾走期 急追/徹底排除の方向設定後、徹底追求する。 (3) 独自路線追求期 爛熟期とした方がよいかも。最後は腐敗。 だいたいご想像がつくかもしれないが、こんなことを考えながら、どんな思想が渡来したか見抜いて、通史に適用するには、かなりの知識が必要。素人には手に余るがこんな感じ。 ●超古代 【樹木精霊信仰】の時代 樹木利用水上移動や樹木食料発見での卓越者がリーダー 植物生育状況に対応した移動キャンプ生活 ナウマンゾウ(本州)/マンモス(北海道)も含め多種の動物が移住 (大型石器使用の大型動物狩猟民の信仰は不採用。) ●3〜4万年前頃から 【火山岩霊場信仰】の時代 黒曜石を用いた、狩猟/毛皮処理用具 季節に合わせた半定住生活 =「旧石器」 ●紀元前1万年頃から 【森/山(鹿/狼)信仰】の時代 多様な食生活、漁労も 大規模狩猟開始(犬追込+落し穴) 細密な石製鏃を用いた弓矢や銛の登場 ●紀元前7000年頃から 【「人格神」蛇(土着超能力者)信仰】の時代 水場(蛇神=水神)近隣での準定住土着型生活 埋葬の場所と方法の設定(土中への回帰) 土器作り→堅果の粉化と灰汁抜き 山際では、非連作焼畑、半栽培林 海際では、製塩、干貝製造 =「縄文」 ●紀元前1500年頃から 【天球命理/卜易】の時代 未利用低湿地帯での水稲栽培 占い専門家による意思決定システム ●紀元前600年頃から 【鳥(祖先霊)信仰】の時代 定住生活で 集落の集合体化 主食料の選択集中化 鵜飼はありだが、食肉家畜化は回避 ●紀元前100頃から 【祭祀システム(象徴品+武器+珠)】の時代 氏族墳墓祭祀と金属武具による力の支配 首長による灌漑工事/集落設計(安全保障) =「弥生」 ●200年頃頃から 【原始道教】の時代 王権を象徴する統一型の大型墳墓 文字と朱の呪術的使用 教団的紐帯としての共同葬儀 =「古墳」 ●534年から・・・仏像/経倫の公伝 【仏教】の時代 仏教ベースの律令政治体制 廃古墳礼拝+旧来信仰習合化 =「飛鳥〜奈良〜平安」 ●980年から・・・宋商陳仁來来着 【公思想と私的商売】の時代 非宗派エリート階層と貨幣経済化を担う層 科挙は未導入 文化の多様化と宗教の世俗化 ●1271年から・・・蒙古使国書呈上 【脱宗教政治と家毎の信仰化】の時代 多宗派並存許容 武力による中央強権統治と地方分権 国内外交易促進 =「鎌倉〜室町」 ●1549年から・・・宣教師ザビエル鹿児島来訪 【政教分離とキリスト教国の文化摂取】の時代 キリスト教国の文物導入 江戸幕府は宗教統制化(不可能なキリスト教は禁教) =「安土・桃山〜江戸」 ●1853年から・・・米使ペリー浦賀来航 【富国強兵植民主義】の時代 =「明治〜大正〜昭和(太平洋戦争迄)」 ●1945年から・・・マッカーサー元帥厚木到着 【自由人権と議会制民主主義】の時代 =「第二次世界大戦後〜現在」 なにが言いたいかおわかりだろうか。 どの時代も、前の時代とは異質な思想であり、例えば平城京は大型古墳を破壊して建設したし、明治維新では廃仏運動が勃興するなど、対立的な様相を示すことも少なくない。 しかし、上から下までご覧になるとわかるが、すべてが現時点でも生きながらえているとは言えまいか。雑炊的に前の信仰を新しい思想のなかに風習的に取り込むのが特徴。それによって革命的変化を漸進的なものに感じさせてきたのだと思われる。 それが日本人の賢さと言ってよいかは別な問題だが、古代から高等難民を受け入れてきたから、それが習い性になっていそう。 と言うことで、この辺りで止めておこう。 歴史から学ぶの目次へ>>> 表紙へ>>> |
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