→表紙 | 2013.12.25 |
| 素人が読み解く魏志倭人伝の国々[続]魏志倭人伝で記載されている邪馬臺国はどこにあったのかの議論は尽きることがないようだ。出雲や三内丸山遺跡からの出土品を見る限り、九州地区だけが先を走っていたなどと考える訳にいかないのは自明だと思うが、九州地区説論者は極めて強硬な意見だらけのようだ。素人にとっては、余りにも不自然でついていけないが。 → 「素人が読み解く魏志倭人伝の国々」(2009.4.2) どうしてかと言えば、記載されている国々の名前によく似た地名を九州地区から探しだして、それを「比定地」と称して並べる態度が目立つからだ。普通、国の名前を20も並べる場合、子供でもなんらかの順序付けのもとに記載するのが普通。バラバラと書くなど信じがたい訳である。しかも、その地名たるや、レベルがマチマチとくる。史書の専門家が、相模、赤坂、常盤松を並べることありえまい。 基本知識が欠落しているので、その辺りのことはわからぬが、このような主張はコジツケにしか映らない。のである。 「国」としてまとまっていたるのなら、その後の律令制下でも国名として残されると思うからでもある。ただ、九州の玄界灘沿岸地域は郡レベルでの国家であるのは致し方なかろうが。 どだい、中古日本語の音や、漢語の当時の発音を想定しても、どれもこれも地名が想定できない国名だらけということは、わかっているのだから、いくら無理して類似地名を探したところでなんの意味もないのではなかろうか。 それよりは、どのような流れで国を紹介しているのか考えた方がよいのではないかと思うが、どんなもんだろう。小生は、大和王権がすでに確立しており、連合王国的なつながりができあがっているとの前提で考えるから、その観点で国々をどう並べるか推定していく手法がまともだと思う。まさか、重要な国々を外すことは考えられないから、出雲、越、吉備はそれぞれどれかが該当する筈。そして、なんとなく、当たっていそうな国名もあるから、それらとどういう関連で並べられているのか考えたたよいのでは。 そして、試してみたのが、下記。如何? *****韓国を歴て北岸「狗邪韓くやかん」出発***** ↓<始めて一海を度る> 対馬ついま/つしま−【対馬】 ↓<南一海[瀚海]を渡る> 一支いし/いき−【壱岐】 ↓<一海を渡る> *****九州上陸***** 末盧まつろ/まつろ−【肥前-松浦】 ↓<東南陸行五百里> 伊都いた/いと−【筑紫前-怡土[糸島付近]】 ↓<東南百里> 奴な/ぬ−【筑紫前-那珂】 ↓<東行百里> 不弥ふみ−【筑紫前-穂波】 *****九州出発巨大国行***** ↓<南水行二十日> 投馬つま−【出雲】 ↓<水行十日陸行一月> [女王国]邪馬臺やまたい−【大和】 *****他の遠き20ヶ国***** ○大和よりさらに遠き国 斯馬しま−【志摩】 已百支しほき/こはき/いはし−「岬だらけの入江」 伊邪いや/いが−【伊賀】 都支とき/とし/たき−「道の分岐点」・・・【尾張】 弥奴みぬ/みな−【美濃】 ○信仰の地 好古都おこと/かうこつ−「古代宮」・・・【淡路】 不呼ふか/ふこ−「女王近辺」・・・【伊勢】 ○四国 姐奴そぬ/そな−【讃岐】 対蘇つそ/たいそ−【土佐】 ○「奴」連携国(九州) 蘇奴そぬ/そな−n.a. 呼邑こお/かおふ−n.a. 華奴蘇奴かぬそぬ/かなそな−n.a.「蘇奴の隣」 ○半独立的同盟国 鬼き−【紀伊】 為吾いご− 【伊予】 鬼奴きぬ/きな−【毛野-上/下】 邪馬やま−【山城】 躬臣くし−【越】 ○山陽道 巴利はり−【播磨】 支惟きゆい−【吉備】 烏奴うな/おぬ−「烏の国」・・・【周防】〜【長門】 *****別途記載国***** 奴・・・再掲[筑紫の代表](女王国の同盟国) ↓<南 女王国に属さない国> 狗奴くぬ−「反奴国の南九州勢力」 ・・・"熊"(【肥後-球麻】〜【頴娃】)+"襲"(隼人:日向〜大隅) -----------律令制下の地名----------- <西海道-玄界灘> 【対馬】【壱岐】 肥前[【松浦】,基肄,佐嘉] 筑紫-前[志摩,【怡土】,早良,【那珂】,席田,御笠郡,糟屋,宗像,遠賀,鞍手,【穂波】,嘉麻,夜須,上座,下座] 筑紫-後[御原,生葉,竹野,山本,御井,三瀦,八女,上妻,下妻,山門,三池] 豊前[田河,企救,京都,仲津,築城,三毛,上毛,下毛,宇佐] 豊後[日田,球珠,直入,大野,海部,大分,速見,国埼] 日向[臼杵,児湯,那珂,宮崎,諸県] 大隅[菱苅,桑原,始羅,囎唹,肝属,姶羅,大隅,馭謨,熊毛,大島,鹿児島] 肥後[玉名,山鹿,菊池,阿蘇,合志,山本,飽田,託麻,下益城,上益城,宇土,八代,天草,葦北,【球磨】] 薩摩[出水,高城,薩摩,伊佐,甑島,日置,伊作,阿多,谿山,河辺,給黎,揖宿,【頴娃】,鹿児島] <日本海側-山陰道> 【出雲】,因幡,伯耆,丹波/丹後,但馬,石見,隠岐 <日本海側-北陸道> 若狭,加賀,能登,【越】-前/中/後,佐渡 <南海道> 【紀伊】,【淡路】,阿波,【讃岐】,【伊予】,【土佐】 <幾内> 芳野,【大和】,【山城】,河内,和泉,摂津 <東山道> 近江,【美濃】,飛騨,信濃,諏方,【毛野-上/下】,陸奥,石背,石城,出羽 <山陽道> 【播磨】,美作,【吉備】,安芸,【周防】,【長門】 <東海道> 【伊賀】,【伊勢】,【志摩】,【尾張】,三河,遠江,駿河,伊豆,甲斐,相模,武蔵,安房,上総,下総,常磐 歴史から学ぶの目次へ>>> 表紙へ>>> |
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