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■■■ ジャータカを知る [2019.3.26] ■■■
[16] マングース

マングースはもちろん猫系の肉食類であり、イタチ体形だが、近縁というほどではないらしい。(おそらくインド原産。)
肉食とはいうものの、果物も好物であり、主食は昆虫との説もある。爬虫類ら両生類も食べるというから、食性的な柔軟性は驚異的。そのお蔭か、様々な環境に棲息可能なようだ。
日本におけるイメージとしては、ハブ喰い動物だが、それは沖縄移入を喧伝したから。実態調査によれば、毒蛇が大好物という訳ではなさそう。

もっとも、その大元は、インド生活者だったキップリングの「ジャングル・ブック」。(英国人が飼うマングースのリッキー・ティッキが2匹の夫婦コブラから家を守る話)
インド内なら、そこらに居る鼠を食べているだけでのんびり生きていける筈。わざわざ危険な毒蛇を喰う必要など無いと思うが、そんなシーンが時に目撃されるのだ。ことさら毒蛇が好物でもないらしいし、毒耐性がある訳でもなく、時には失敗して死亡するというのに。実際、その闘いは極めて慎重に行われるらしい。
そこまでしても、毒蛇を仕留めたいのは、それが面白いのだろう。猫系の動物はそのような遊びでもしないと、日々退屈で耐え難いのかも知れぬ。

マ、遊びとはいっても、一種のトレーニングでもあるから、無駄なことをしている訳ではない。。猫系の大きな動物に見つかった際には、有効な威嚇は不可欠。それなしには生き延びることはできまい。(猫系も犬系も、いくら大型であっても、隙をついて鼻を傷つけられたりすれば一大事だから、その恐れがあれば本気で戦うことはない。)

ジャータカでも、マングースは蛇と一緒に登場する。[#165]絶えず両者は口論するとのシチュエーション設定が面白い。そんなことを止めて一緒に蟻塚で住めと諭す訳である。

インド辺りの近縁は以下の通り。
鼬》
 ●灰色マングースIndian grey mongoose/灰
 ●黒筋マングースStripe-necked mongoose/紋頸@インド南西部のみ
《靈猫》
 ▼印度麝香猫Lrge Indian civet/大靈
 ▼姫麝香猫Small Indian civet/小靈
 ×白鼻芯Masked palm civet/果子狸@中国南方〜ビルマ
《靈猫近縁》
 ●縞鬣犬[ハイエナ]/条紋鬣狗Striped hyena

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