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■■■ ジャータカを知る [2019.4.3] ■■■
[24] 大犀鳥
パーリ語の訳は"有角鳥"なので、てっきり角が出ている鳥と思ってしまった。
そんな姿の鳥はいることはいるが、ヒクイドリ変種@豪州。インドには現存しないし、古代にも棲んでいたとは思えない。それにジャータカでは熱帯雨林ではなくヒマヤラ辺りの話とされている。

ところが、考えてみれば、簡単な話。これは大犀鳥のこと。

小生が見るに、この鳥の場合、角(カスク)と言うより瘤だ。言われて初めて犀の角的に見えてくる。
嘴が大きく、頭デッカチな体形であることもあり、親しみを感じさせる鳥である。人により印象は違うかも知れぬが。
動物園在住個体(@埼玉県こども自然動物公園)は、日光浴がお好きなようである。ヒトの存在を余り気にせず地上を跳びまわったりと、なかなか肝が据わったご様子。ヒトなど取るに足らぬ存在と見ている可能性もあろう。成鳥だと、羽を広げれば1.5mと大型体躯なのだから。
なにせ、ネパールでは森の王とされている位だ。その辺りでは、嘴や羽あるいは頭蓋そのものが、トーテム的装飾品として広く使用されていたようだ。

  △犀鳥Rhinoceros hornbill/馬來犀鳥
     @タイ南部〜マレーシア〜島嶼(ジャワ・スマトラ・ボルネオ)

  ●大犀鳥Great Indian hornbill/双角犀鳥
     @インド(北端部)〜ネパール・ブータン〜
      東南アジア(大陸)〜スマトラ+飛び地(インド南西海岸側一部)


ジャータカでは猿に妬まれる。[#321]・・・
猿は歯がガチガチ震えるほどで、雨季の寒さに苦しんでいた。見かねた大犀鳥は家を建てろと忠告したのだが、それが面白くない猿は巣を壊してしまう。

生態をよく観察しているお話。
犀鳥はもっぱら樹の洞を巣にするそうだ。但し、雌だけがそこで抱卵する。その際、入口を泥で塞いでしまうとかで、巣の中は外の環境の影響をほとんんど受けない。食糧は、巣の小さな穴から、雄が渡すことになる。
つまり、雄は家に籠ることはできないのだ。寒ければ、我慢するしか手はなかろう。

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