→INDEX ■■■ ジャータカを知る [2019.4.16] ■■■ [37] 登場しない哺乳類 [1]もともと釈尊が説話の題材に使わなかったのか、 [2]ジャータカ編纂者が話をカットしたのか、 [3]その部分だけ散逸してしまったのか、 なんとも言えぬが、[1]の可能性がありそう。 🃟【翼手類】Bat 蝙蝠は世界中どこでも民話のネタになっている。 しかしながら、インドの農村地帯では蝙蝠にはほとんど関心が薄いようだ。と言っても、気にかけていない筈がない。 ●印度大蝙蝠Indian flying-fox 翼長が1.5mもあり、一度見たら忘れるような動物ではない。蝙蝠なのに矢鱈に目が効くようだし。 神聖な動物と見なす村もあるとか。バンヤンやタマリンドの樹木に棲むせいかも。 😎【土竜類】Shrew, Mole 古代にはシンボルもあったとの話もあるようだがはっきりしない。 😤【尖鼠類】Asian house shrew 東南アジア〜インドでは珍しい動物ではない。 ●灰色麝香鼠Greater dwarf shrew/侏臭 or 鼩 雑食性の小動物で森・田畑・家屋と様々な場所に棲み付いている。ミミズや昆虫食なのだろう。生物学の分類では土竜系だが、トンネル生活者ではない。人家にも住みついており、鼠のような敏捷さに欠く上に小さな目のため視力が弱いのか、人目につく場所によく登場してくるらしい。誰も知らん顔をするのは動物観による訳ではなく、触れるとその臭気に耐えられなくなった経験があるからだろう。 📍【針鼠類】Hedgehog ●印度針鼠Indian hedgehog@半砂漠地帯(インド西北〜パキスタン) ●印度長耳針鼠>Indian long-eared hedgehog@〃 インドの神話では、頭髪が使用される話では、櫛に針鼠の棘が使われることがある。実用性があるとは思えないが、ゾロアスター教では神聖な動物になっているのは、防疾病のイメージが沸くからだろう。 😛【有鱗類】Pangolin 東南アジア西〜中国揚子江以南が主棲息地だがインドにも。 ●印度穿山甲Indian pangolin 全身鱗に覆われ見かけ爬虫類的だが胎生。母は仔を尾に乗せて移動し、熱心に子育て。完璧な哺乳動物と言えよう。 爪は鋭く強靭。細くて長い舌で白蟻や昆虫の幼虫等を捕食する。成獣で、尾を入れ全長1m程度。 海南島黎族・広西瑶族・苗族・台湾原住民等の神話に登場する。例えば、人類発祥洪水瓢箪型神話に付けたし的に登場すし、水浸しになった瓢箪の穴を開けるべく頑張り全ての歯を無くし蟻を食べるようになった、とか。いかにも、古代の四つ足動物の風情だから当を得たお話。中華帝国の訳の分からぬ生肖を好まない部族だと、十二支の龍の代替にすることもあるようだ。 中華帝国の民は穿山甲に垂涎の薬効ありと信じているから、遠からず絶滅はまぬがれまい。儒教大国は神話を殺し尽くしてしまい、精霊信仰が失せたからどうにも止まらない。動物の体躯に含まれる物理的成分を摂取する、実証主義的観念に変わったのである。 →ジャータカ一覧(登場動物) (C) 2019 RandDManagement.com →HOME |