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■■■ ジャータカを知る [2019.5.24] ■■■
[75] ひまし油樹
唐胡麻castor oil plant/蓖麻の種は"ひまし油"の原料。

仏教経典で扱われているのか定かではではないが、「聖書」ヨナ記4では、主が蔭を作ってくれた木として記載されており、人々に好かれていた樹木のようだ。しかしながら、種子には毒性アルカロイドが含まれており、下剤と潤滑油にしか使えない。
工業社会になり、インドはキャスターオイル種子の生産量を増強し続けた結果、膨大な数量に到達。今や、世界シェアは99%近いのでは。

そんな木がジャータカに登場する。・・・
[#109]粉菓子譚
祭礼の日、村人達は花輪、香料、香水、ケーキをそれぞれの信仰対象の樹木に供した。
一方、貧しい男は、ひまし油樹が信仰対象だったのだが、供せる物といえば、脱穀皮粉のケーキとココナッツ殻の水しかない。
男は用意はしたが、樹木の妖精はこんな物を食べる訳がなく、自分の食べ物を分けて差し上げる意味などなかろうと考え、立ち去ろうとする。
そこで、妖精は、犠牲を払うことに意味があると諭し、男の望みを聞き入れる。
樹木の妖精(fairy)は前生の釈尊。

[#295]下賤者譚
村の門外の木立の中に投げ捨てられた牛の死骸の肉を求め、ジャッカルと烏がやってきた。互いに、持ってもいない徳をベタ褒めしながら死肉喰いを続ける様子を見ていたひまし油樹の精霊(spirit)は注意を与える。もちろん、それが釈尊の前生。

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