→INDEX ■■■ 今昔物語集の由来 [2019.9.8] ■■■ [70] 巨人死体 その手のモノは、1962年、名称がつけられ、グロブスターGlobster(グロテスク・ブロブ・モンスターの省略語)と呼ぶことになった。 巨大で異臭を放つモノが多く、鯨の脂肪分と推察されるが、表面が獣毛様のモノもあり、違う生物の場合も多そう。研究対象にされていないようなので、実態はよくわからない。 毎年、世界のどこかで見つかり、写真ニュースが配信されるが、すぐに忘れ去られるようだ。 「今昔物語集」にも取り上げられている。 巨人の死体と見なされており、描写が結構詳しいから、関心が高かったのだろう。 と言うか、その"関心の高さ"をとりあげた訳で、グロブスターそのものは多分どうでもよいのである。いくら考えたところでわかる訳がないのだから。 筋はこんな感じ。 【本朝世俗部】巻三十一奇異/怪異譚拾遺 ●[巻三十一#17]常陸国□□郡寄大死人語 常陸守 藤原伸道の任期終了年の四月の頃。 暴風で荒れた夜、東西の浜に死人が漂着。 身長は五丈で 首から上は無く、 右手、左足は喪失。 胴体の半分は砂に埋もれていた。 性別不明だが、印象から、雌と見なされた。 騎乗の人が隠れるほど巨大であり、 皆驚き、大騒ぎになった。 それを聞き、 陸奥国海道、国司□の□□が、 見分させるために人を派遣した。 立派な僧も見に来て、身体が美しいから阿修羅女だろう、と。 この地の国司は、奇怪な出来事ということで、 公的報告を行う用意を整えていた。 ところが、 それは拙いとの声が。 中央は視察菅を派遣することになり、 大事になること必定というのである。 そこで、報告は中止となり、隠蔽することに。 為政者はそんな調子だったが、 武人のなかには、 こんな巨人に攻められたら、と考える人も。 弓矢を試したところ深く突き刺さった。 流石、と褒め称えられた。 その死体だが、腐っていったため 周囲10〜20町は異臭が酷く、 とても堪えられるものではなく、 住人は逃げ出してしまった。 事件は公的には隠蔽されたが、 常陸守が上京し、 この噂は自然と広まった。 吉兆報告の場合はメリットが多そうだが、凶兆だと、確かに面倒なことになる可能性が高い。余計なことは言わぬのが賢い姿勢と言えなくもない。 しかし、問題が発生したら、それを中央の為政者が対処することで成り立つ政体である。凶事や祟りからの被害を最小限に食い止めてもらえるとの発想はなくなっていることがわかる。 (C) 2019 RandDManagement.com →HOME |