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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.6.14] ■■■
[350] 魂入れ代わり
🔁"魂入れ代わり話"を取り上げたりすると、オカルト好きと勘違いされかねず、避けたいところだが、取り上げておかねばなるまい。

「酉陽雑俎」續集卷三支諾皋下にも、著者 段成式の朋友である非熊から直接聞いた"魂入れ代わり話"が掲載されているが、成式の評価としては、これは"怪"ではない、と。
  →"前世記憶"@「酉陽雑俎」の面白さ(2016.5.1)

「今昔物語集」にも"魂入れ代わり話"が所収されている。
  【本朝仏法部】巻二十本朝 付仏法(天狗・狐・蛇 冥界の往還 因果応報)
   《16〜19冥界》
  [巻二十#18]讃岐国女行冥途其魂還付他身語
  ⇒「日本国現報善悪霊異記」中25閻羅王使鬼受所召人饗報
 讃岐山田に住む布敷という女、
 重病を患い、死を免れるため、
 門の左右に疫病神への御馳走を祭っていた。
 そこへ、閻魔王の使である鬼がやってきたが、
 食べ物の魅力に惹かれて食べてしまう。
 鬼:「御馳走のお礼がしたい。
    同姓同名の人を知らないか?」
 女:「鵜足に同姓同名の女が居る。」
 そこで、鬼は鵜足の女を殺し、冥土へ連行。
 そして、山田の女を延命させた。
 ところが、閻魔王はそれに気付いて命令。
 閻魔王;「違う女だ。 山田の女を連れて来い。」
 鬼は、仕方なしに、山田の女を連れて来た。
 閻魔王;「この女だ。鵜足の女は返してやれ。」
 戻ったものの、遺骸は火葬済で、入るべき身体がない。
 鵜足の女は冥土に引き返し、閻魔王に訴えたので
 山田の女の身体に入ることになった。
 こうして、鵜足の女は、山田の女の家で、山田の女の身体で蘇生。
 山田の女の父母は喜んだが、
 女は自分の家は鵜足だと言い、山田を出立。
 鵜足の家に着くと、見知らぬ女が突然やって来て、
 自分の家と言うので、事情をすべて聞いた。
 確かに娘なので、可愛がった。
 一方、山田の女の父母も、魂は違うものの、
 身体だけは娘ということで、可愛がった。
 その結果、女は両方の父母に養われることに。
 そして、両家の財産を形象。

コメントをつけようかとも思ったが、興味がある訳でもないので止めた。

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