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2004.7.14 |
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リサイクル産業の競争力…家庭やオフィスで使用される紙やプラスチックスのリサイクルが図られてきたが、ついに転回点を迎えたようである。リサイクルの回収、再生処理、再利用の3段階のうち、回収は仕組みさえ作ればよいことがはっきりしてきたが、今のやり方では、残りの問題が解決できそうにないのである。 例えば、古くから仕組みが出来あがっている紙で見てみよう。 古紙再生促進センターの調査によれば、古紙回収率は1990年に49.7%だったものが、2000年には57.7%へと順調に上昇した。2002年には65.4%、2003年には66.1%にまで達しており、(1)極めて良好な成績を収めている。 一方、古紙利用の方は1990年に51.5%であったが、2000年でも57.0%となかなか進まない。2002年は59.6%、2003年60.2%である。(2) 回収した古紙に対する輸出圧力は高いといえる。 多くのリサイクルは国内で閉じた仕組みを考えているようだ。しかし、紙といった単純な製品でも、国内だけの再利用は難しい。 ましてや、他の製品では、さらに難しいのは間違いあるまい。 そもそも、最終製品の生産拠点が海外に移転しているのである。再生品ができても、国内需要では対応できないのである。 従って、国内だけで完結するリサイクル産業は画餅と考えてよいのではなかろうか。 リサイクルも国際的なネットワークで考えない限り実践性は無いと考えるべきだろう。 現実に、廃棄物の輸出は増え続けている。 (もちろん、有害廃棄物の輸出は禁止である。) この状況を考えると、プラスチックスの再生処理や、再利用を国内で行う方針は疑問である。 先ず、再生処理工場の国内操業で、バージン品と競争できるとは思えない。精緻な分別収集は難しいから、分別コスト負担に耐えられない可能性が高いからである。しかし、これは、国内での話しで、労働コストが低い地域なら、コスト競争力は期待できる筈だ。 しかも、再利用も国内はかなり難しい。顧客が高品質な製品を望むから、バージン原料リッチになりがちであるし、再生原料を使うと、その利用条件設定のためのコストが相当かかる。それでも、再生原料の品質が安定していれば、なんとかコスト負担に耐えられるが、品質にバラツキがあると、再生原料使用は競争力低下に繋がりかねない。 インセンティブが無ければ、再生品の需要が伸びることは考えにくい。 しかし、海外は正反対である。バージン原料である必要がないものも多いし、品質要求が緩いものの多い。安価な再生品市場は発展余地が大きいのである。 従って、再生処理も再生品使用も、海外立地の方が魅力的であるといえよう。 エコタウン構想推進の思想はわかるが、どう考えても。国内立地ビジネスの将来性は暗い。 廃プラスチックについては、海外での再処理を基本に考え、それに合わせた低コスト運搬の仕組みを構築した方が実践的ではないだろうか。 → 「エコタウンの転回点」 (2004年6月16日) --- 参照 --- (1) http://www.prpc.or.jp/statistics/kaisyu-koshi.pdf (2) http://www.prpc.or.jp/statistics/riyo-koshi.pdf 環境問題の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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