筋の良い隙間商品狙いの意義…


 今では誰でも知っているポン酢醤油は酢と醤油というカテゴリーを考えれば、文字通り単なる隙間商品である。しかし、プレミクスチャーとしてのニッチ商品ではなく、新カテゴリー商品として打出していくことで独自の市場が形成されてきた。家庭用品市場では、水切り袋のようなジャンルが不明瞭な商品はいまや歴史を誇るクレンザーより市場規模は大きくなっている。ディスポーザブル・モップも短時間で大きな独立市場に発展している。最初はニッチに見えても、家庭用の場合は最終顧客にニーズがあるなら、ニーズの進化により新カテゴリーにまで進むことは珍しいことではない。



 実は、成熟した既存市場の隙間から出発して、新しい大きなカテゴリー創出に繋げるチャンスはいくらでもある。こうした隙間市場の概念を理解して頂くためのアナロジーを下図に示した。よく知られているように、眺め方によって丸、長方形、三角形に見える立体がある。これらは全く違う形だが、視点を前面、側面、上面にとることで形が異なって見える。市場をこうした立体と考えると、見方によって大きく異なる様相を呈する可能性があるといえる。現時点での常識的見方からいえば小さく見える隙間市場も、上面から見ただけなのかもしれない。見方を変えると、この市場が実は大きな市場を形成できる可能性もある
 隙間商品だからといって、本質的なニーズに応えているなら、ニッチに似ているが、ニッチとは大きく異なる。

 研究開発システムの目次へ

(C) 1999-2000 RandDManagement.com