家庭用AV機器の研究開発(5)…情報記録媒体の高度化とこれに対応する新機能機器の登場が予想されるが、3つの動きに分けることができる。 (1) コピー媒体関連の新機器の登場である。新しい媒体の登場に合わせた展開である。コピー媒体であるから、配布媒体とは異なりメディア産業から独立して動くことも理論的には可能である。配布媒体の規格並立は無駄だが、コピー媒体なら目的別に並立も有りうる。従って、研究開発の自由度が高く、機器メーカーが自社の技術力を発揮し易い領域だ。 ここでの大きな流れは、テープやディスクといった外部媒体から、電子機器のキー部品である半導体やハードディスクといった内部媒体への移行といえよう。将来的には情報すべてを蓄積する「格納庫」へ発展する萌芽と見るべきである (2) 録音・録画機器の高度化と新利用法の流れが強まる。パソコン側はキーアプリケーションの探索が命であるから、こうした動きを重視する。従って、主に、パソコンのAV化という形で変化が現れるといってよいだろう。パソコンに無縁なAV機器開発をしていると、この波から置いて行かれる可能性が高い。 (3) 配布媒体の新フォーマット化に対応する機器開発である。ビデオテープのDVD移行、テレビ放送のデジタル化といった動きだ。当然、これに合わせた機器の開発が必要になる。 |