製造用機械産業の研究開発(2)…

 それでは、「超工場」とはどんな像を描けばよいのか?

 「超工場」の特徴は階層構造とモジュール化だ。これにより、ハードとソフトの高度化が達成され、多品種であってもマスプロ並の効率が図れるのだ。

 具体的には、工場全体のアーキテクチャーに合わせ、モジュールが設定され、そのモジュールのマシンハード構成要素が製造用機械単体となる構成である。このような仕組みに適合する製造用機械は明瞭な階層構造を持つことになろう。
 例えば、ユニット、コンポーネンツ、パーツという3段階になる。

 どうしてこのようなことが必要になるかといえば、自社の力を発揮できる箇所及び顧客対応が必要なカスタム部分を明瞭に分離する必要があるからだ。
 例えば、一番下層のパーツでは、競争力の根源となるのはキーパーツであり、基本モデルを作る際に不可欠なのものがカスタムパーツだ。それ以外は汎用品調達になる。これを組み立てて、コンポーネンツにし、他のコンポーネンツ類と組み合わせ、主用ユニットを形成し、他のユニットと合わせればメイン機器ができあがる。自社の競争力の根源となるメインユニット、キーコンポーネンツ、キーパーツという流れを確立することが肝要と思われる。それ以外のユニット、コンポーネンツ、パーツは調達で一向に構わない。

 但し、これだけの対応では顧客要求には応えられない。
 従って、治具や工具交換といった顧客独特の要求に応える部分が不可欠となる。この部分が分離されることで、様々な顧客のニーズに広く対応できる。

 一旦、CIM化の動きが始まると、立ち上がりは極めて速いから、その時に先頭を走っている企業が圧倒的に有利になる。こうした動きをいち早く進め、どのようなソフトに対応していくのがよいかを見極めながら、先端ユーザーと一致協力して新時代を切り開くことが、21世紀飛躍の鍵といえる。
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